企業だけでなく、個人事業主の方や自営業者の方にとっても資金調達というのは非常に重要なものですよね。しかし、法人ではないことからどうしても資金調達のハードルは高くなってしまいます。
銀行から融資を受けることも可能ではあるものの、そのためには様々な条件がありますし、厳しい審査を通過しなければいけないためなかなか実現に至っていないという方が多いのが事実ではないでしょうか。
そこで、目を向けたいのが事業者ローンである「ビジネスローン」です。ビジネスローンならば個人事業主でも比較的資金調達を行いやすく、更に無担保・無保証で場合によっては即日融資を受けることも出来ます。
この記事では個人事業主でも利用可能な無担保・即日ビジネスローン7選と、個人事業主がビジネスローンを利用する際の注意点をご紹介していきます。
ビジネスローンでの資金調達を考えている個人事業主の方はぜひ参考にしてみてください。
ビジネスローンとは?銀行融資との違い
ビジネスローンとは、個人事業主や法人向けのローンのことです。担保や保証人が不要な無担保ローンの他にも、担保や保証人が必要となる有担保ローンがあります。
不動産のない個人事業主が利用することが出来るのは「無担保ローン」の方でで、無担保ローンは有担保ローンに比べて金利が高めに設定されている、融資額が少ないなどの特徴があります。
ビジネスローンはスコアリングシステムによる自動審査を行なっていましたが、この精度の低さが問題となり銀行はビジネスローンからは撤退気味で、現在はノンバンク系がメインです。
ビジネスローンと銀行融資では上限額、金利、調達スピードなど様々な違いがあります。
銀行融資 | ビジネスローン | |
---|---|---|
金融機関 | ・銀行 ・信用金庫 |
・銀行 ・消費者金融 ・信販会社 |
借入限度額 | 数十億円 | 500万円前後 |
金利 | 1%~10% | 2%~18% |
調達スピード | 数週間~数ヶ月ほど | 最短即日~数週間 |
担保・保証人 | 必要が場合がある | 原則不要 |
個人事業主がビジネスローンを利用する際の注意点
無担保で即日融資可能なビジネスローンをご紹介する前に、まずは個人事業主がビジネスローンを利用する際の注意点についてご紹介していきたいと思います。
ビジネスローンで借り入れ可能な金額は500万円と低く設定されてはいますが、無理な借り入れをすれば経営を圧迫する結果になってしまうことも。
また、注意点を確認しておくことでスムーズにビジネスローンを利用することが出来ますよ。
1年以上の事業歴が必要
個人事業主がビジネスローンを申し込む際には、「本人確認書類」「確定申告書」「青色申告決算書もしくは収支内訳書」を用意しなければなりません。
そして、この青色申告決算書や収支内訳書は1年経過していなければ作成することが出来ません。
事業を始めたばかりでまだ1年が経過しておらず、青色申告決算書や収支内訳書を作成出来ないという方はそもそもビジネスローンの申し込みのための必要書類を用意することすら出来ないということです。
これはビジネスローンに限ったことでなく、他の資金調達方法も1年以上事業歴がない場合は利用できないものが多いため、資金が尽きてしまうことのないよう計画的な経営を行う必要があります。
上限金利を想定しておく
上記の表でもご紹介のように、ビジネスローンの金利は「2%~18%」と幅があります。金融機関によっても金利額は異なりますが、選ぶ際には下限金利ではなく、上限金利を想定しておくようにしましょう。
なぜなら、ビジネスローンの下限金利が適用されるのは信用の高い企業経営者などに限られるからです。個人事業主は大企業での経営者と比較すれば貸し倒れリスクが高く、そのため金利は高くなる傾向にあります。
特に、これから初めてビジネスローンを利用するという方は信用がないため、上限金利が適用される可能性が高いです。下限金利を想定して返済計画を立てていたのに、上限金利が適用されたのでは返済計画は大きく狂ってしまうことになります。これが逆なら全く問題なく、むしろ余裕もって返済を行なっていくことが出来るでしょう。
なるべく少額で短期の利用にする
銀行融資に比べ、ビジネスローンは金利が高いというデメリットがあります。更に、上記の項目でもご紹介した通り個人事業主の場合は上限金利が適用されることがほとんどです。そのため、借りている期間が長くなればなるほど利息が膨らみ、余計なお金がかかることになります。
借入金額をなるべく少額に抑え、更に借入期間も最小限とすることで利息による負担を軽減することが出来ます。
高金利なビジネスローンは長期間の資金繰りとなる運転資金として利用することには不向きであり、あくまで「今月だけどうしても資金が必要」という時などに短期で利用するものだということを覚えておきましょう。
無担保・即日ビジネスローン7選
それでは、ここからは急いで資金調達を行いたいという個人事業主や自営業者の方向けの無担保で、最短即日で借り入れることが出来るビジネスローンをご紹介させていただきたいと思います。
それぞれの金融機関によってもメリットやデメリットは異なりますので、いくつか比較してみてより自分の事業に合ったビジネスローンを選択するようにしましょう。
オリックスVIPローンカード BUSINESS(オリックスクレジット)
オリックス・クレジット株式会社が提供する「オリックスVIPローンカード BUSINESS」は個人事業主や法人経営者向けのローンカード型ビジネスローンです。金利が相場よりお得、最短即日で融資可能など、様々なメリットがあるため多くの事業者に利用されているビジネスローンです。
スマートフォンやパソコンから自分の好きなタイミングで借り入れや返済を行うことが出来るというのも非常に便利で、入会すれば事業資金に関する相談を行うことができる「カウンセリングデスク」も利用可能になります。ただ事業資金を借りるだけでなく相談にも乗ってくれるというのは非常に心強いですよね。
- 借入限度額:10~1000万円
- 金利タイプ:固定金利もしくは変動金利で選択可能
- 申込条件:20~65歳までで年収200万円以上かつ毎月定期収入がある方
スモールビジネスローン(ビジネスパートナー)
株式会社ビジネスパートナーが提供する「スモールビジネスローン」はローンカード型のビジネスローンで、最短即日審査、翌日融資とスピーディーに資金を調達することが可能です。借入限度額は500万円までとなっていますが、無利息期間があるなども特徴です。
9.98%~18.0%と金利は相場並みであり高金利ですが事務手数料はかかりません。また、セブン銀行ATMで24時間いつでも借り入れや返済を行う事ができるという高い利便性も人気の理由の一つではないでしょうか。
- 借入限度額:50~500万円
- 金利タイプ:固定金利
- 申込条件:20~65歳までで毎月定期収入がある方
事業者向けビジネスローン(ユニーファイナンス)
東海エリアを中心として即日のローン、キャッシングなどを提供しているユニーファイナンスの「事業者向けビジネスローン」は個人事業主や法人経営者向けの商品で、無担保の場合、借入限度額は200万円となり他のビジネスローンと比べると少額となります。
最短即日で審査・融資を受けることが出来るだけでなく返済方式を選ぶことも可能です。
- 借入限度額:~200万円
- 金利タイプ:固定金利
- 申込条件:20~65歳までで毎月定期収入がある方
プロミス自営者カードローン(プロミス)
三井住友銀行グループであるSMBCコンシューマーファイナンス株式会社が提供しているのが「プロミス自営者カードローン」です。SMBCコンシューマーファイナンス株式会社は個人向けのキャッシングサービスであるプロミスを展開していますが、これを個人事業主向けにしたのものが「プロミス自営者カードローン」です。
事業のための資金調達であれば何にでも利用することが出来るだけでなく、更にプライベート資金の利用も可能であること、最短1時間で融資可能、余裕があれば借入限度額範囲内でなんとでも借り入れすることが出来るなどのメリットがあります。
また、借り入れがウェブ上で完結するというのも特徴の一つと言えるのではないでしょうか。大手消費者金融ということで安心して利用することが出来ます。
- 借入限度額:50~500万円
- 金利タイプ:固定金利
- 申込条件:20~65歳までで毎月定期収入がある方
ビジネスローン(ビジネクスト)
アイフルグループの完全子会社である株式会社ビジネクストが提供しているのがローンカード型ビジネスローンである「ビジネスローン」です。
ビジネクストのビジネスローンが優れている点としては借入限度額が他のビジネスローンよりも高く、1000万円まで借り入れ可能だということです。最短即日で融資が可能となっており、借り入れ・返済もコンビニATMで行うことが可能となっています。
アイフルグループの完全子会社ということで、ビジネクストのビジネスローンも安心して利用する事ができる商品と言えるでしょう。
- 借入限度額:10~1000万円
- 金利タイプ:固定金利
- 申込条件:20~65歳までで毎月定期収入がある方、他の商品で取引がある方
個人事業主専用カードローン(セゾンファンデックス)
クレディセゾングループの会社であるセゾンファンデックスが提供しているのが「個人事業主専用カードローン」です。最大で500万円まで借り入れることが可能で、インターネットから申し込み可能、更にインターネットバンキングにも対応しています。
セゾンファンデックスは審査の柔軟性も高いため、赤字決算でも融資を受けることが出来る可能性があります。
- 借入限度額:~500万円
- 金利タイプ:固定金利
- 申込条件:20~65歳までで毎月定期収入がある方
ビジネスセレクトローン(三井住友銀行)
「ビジネスセレクトローン三井住友銀行が提供しているビジネスローンで、第三者保証人や担保不要で最大3億円という大きな額を借り入れられるということが大きな特徴です。
金利は2.125%からと低めに設定されており、最小返済期間は7年となっているなど返済計画を立てやすいローンでもあります。ただし、申込み条件がいくつもあり、審査もかなり厳しくなります。
- 借入限度額:3億円
- 金利タイプ:固定金利、変動金利
- 申込条件:業歴2年以上、申込み時点で未納の税金がない、最新決算期で債務超過していない等
まとめ
個人事業主が利用可能な無担保・最短即日融資可能なビジネスローン7選と個人事業主がビジネスローンを利用する際の注意点が以上となります。
法人に比べ資金調達ハードルが高くなると言われている個人事業主ですが、業績次第では銀行から融資を受けることも出来ますし、各社が提供するビジネスローンを利用することも出来ます。
しかし、ビジネスローンの場合は金利が高くなるため借り入れ額が大きくなったり、返済期間が長引くと経営を圧迫したり、利息分の支払いによって無駄にコストがかかってしまうこととなります。
ビジネスローンの利用前には上限金利を想定した上でしっかりと返済計画を立て、借り入れが経営にとって悪影響を及ぼしてしまうことがないようにしましょう。