銀行融資に比べ比較的審査に通りやすく、資金調達を行いやすい方法として中小企業経営者や個人事業主、自営業者に利用されているのが「ビジネスローン」という資金調達方法です。
銀行融資の審査に落ちてしまったという場合でもビジネスローンならば問題なく融資を受けることが出来る可能性も高いため、ビジネスローンを既に利用されている方、これから利用しようと考えている方も多いのでしょうか。
銀行のビジネスローンにせよノンバンク系のビジネスローンにせよ、原則無担保・無保証人としているところもメリットと言えるでしょう、
しかし、ビジネスローンには一つ大きなデメリットがあります。それが「金利が高い」ということです。ビジネスローンは銀行融資や公的融資と比べると、圧倒的に金利が高く設定されているのです。
そこで、この記事では銀行系ビジネスローン、ノンバンク系ビジネスローン、クレジット会社系ビジネスローンのそれぞれの金利・借入限度額を表で比較し、更に利息を抑えるためのコツについても解説していきたいと思います。
金利や借入限度額を比較することでより自分に合ったビジネスローンを選択することが出来るはずです。
ビジネスローンの金利はなぜ高い?
ビジネスローンの利用を考えたことがある方の多くは、その前に銀行融資や公的融資について検討したことがあるのではないでしょうか?銀行融資や公的融資に比べると、ビジネスローンは金利が非常に高いです。
銀行融資の場合、審査項目も厳しく、資金調達までには時間がかかります。必ず返済してくれる信頼出来る企業なのかどうか、銀行がじっくり判断出来るため、少ない利息で長期的な貸付を行うことが出来るのです。
対してビジネスローンの場合はスコアリングシステムによる審査を行うため、銀行融資に比べ審査が通りやすく、最短即日で融資が可能となる場合もあります。スピーディー借り入れ出来る反面、審査が甘いことで金融機関側が背負うリスクが大きくなるため、金利も高くなるのです。
銀行系ビジネスローンの借入限度額・金利
全国的に知名度の高いメガバンクだけでなく地方銀行もビジネスローンを提供しています。銀行が提供しているビジネスローンは事業者向けのビジネスローンとしては金利は低めに設定されていますが、審査が厳しく、事業計画書の作成など審査には時間がかかることが多いです。
下記の表でご紹介のものの他にもオリックス銀行やみずほ銀行がビジネスローンの提供を行なっています。
商品名/金融機関 | 借入限度額 | 金利 |
---|---|---|
ビジネスセレクトローン (三井住友銀行) |
~1億円 | 2.125%~ |
融活力(三菱東京UFJ銀行) | ~5000万円 | 2.35%~9.00% |
スーパービジネスローン(横浜銀行) | ~5000万円 | 2.7%~ |
スモールビジネスローン (東京都民銀行) |
~1000万円 | 4.0%~9.0% |
スタービジネスカードローン (東京スター銀行) |
~500万円 | 6.5%~14.5% |
ジャパンネット銀行ビジネスローン (ジャパンネット銀行) |
~500万円 | 4.8%~13.8% |
上記はどれも無担保で連帯保証人も無しの商品ですが、金利は商品によってもかなり異なるということがわかります。
また、三井住友銀行のビジネスセレクトローンの場合、借入限度額は1億円とかなり高めに設定されており、その分審査も厳しくなります。
銀行系のビジネスローンの金利の相場は3%~14%ほどだとされています。なお、下限金利を想定して返済計画を立ててしまうと金利がそれ以上となった場合に返済計画が狂ってしまうことになるため、比較や返済計画を立てる際には必ず上限金利を想定するようにしましょう。
ノンバンク系ビジネスローンの借入限度額・金利
ノンバンク系とはつまり銀行以外の金融機関のことで、主に消費者金融を指していることが多いです。
ビジネスローンの金利が最も高いのがノンバンク系のビジネスローンで、アコムの「ビジネスサポートカードローン」の場合、最低金利でも12.0%とかなり金利が高く設定されています。
ノンバンク系ビジネスローンは高金利である反面、資金調達出来るまでのスピードが非常に早く、最短で即日借り入れ可能な場合があります。
商品名/金融機関 | 借入限度額 | 金利 |
---|---|---|
事業者ローン(ビジネクスト) | ~1000万円 | 3.10%~15.0% |
スモールビジネスローン (ビジネスパートナー) |
~500万円 | 9.98%〜18.0% |
プロミス自営者カードローン(プロミス) | ~300万円 | 6.3%~17.8% |
ビジネスサポートカードローン(アコム) | ~300万円 | 12.0%~15.0% |
ビジネスローン(ユニーファイナンス) | ~200万円 | 12.0%~17.95% |
ビジネクストの「事業者ローン」、プロミスの「プロミス自営者カードローン」の場合、最低金利は低く設定されていますが、上限金利は15.0%~17.8%となりアコムの「ビジネスサポートカードローン」よりも高い金利となります。
低い金利で借り入れ出来るのは信用力の高い企業経営者などに限られるため、個人事業主やこれから初めてビジネスローンを利用する方の場合、上限金利が適用されるものと考えておくのがいいでしょう。
クレジット会社系ビジネスローンの借入限度額・金利
クレディセゾンの完全子会社であるセゾンファンデックスやオリコ、オリックス・クレジットもビジネスローンを提供しており、銀行系ビジネスローンと比較すると最低金利は高く設定されています。
クレジット会社が提供するビジネスローンということで、安心して利用することが出来るでしょう。カードローンタイプも多く設定された限度額の範囲内ならば自分の好きなときに借り入れや返済を行う事が可能です。
セゾンファンデックスが提供している「事業者向け不動産担保ローン」は不動産を担保として借り入れするという商品で、担保があるため金利を抑えつつ高額を借り入れることが出来るようになっています。
商品名/金融機関 | 借入限度額 | 金利 |
---|---|---|
事業者向け不動産担保ローン (セゾンファンデックス) |
~1億円 | 2.65%~9.9% |
ビジネスサポートプラン(オリコ) | ~1000万円 | 6.0%~15.0% |
オリックスVIPローンカードBUSINESS (オリックス・クレジット) |
~500万円 | 6.0%~17.8% |
ビジネスローンの利息を抑えるコツ
ビジネスローンを利用する際に思うのが「なるべく低金利で借り入れしたい」ということですよね。借入金額が多く、借入期間が長くなればなるほど利息による負担も大きくなりますから、金利は借り入れを検討する際に非常に重要な要素となります。
銀行融資や公的融資に比べるかなり金利が高く設定されているビジネスローンだからこそ、何とかして利息を抑えたいと思うもの。ビジネスローンでの利息を減らしたい場合、毎月の返済額を増やすことで利息総額を抑える事ができます。
例えば100万を借りた場合、返済期間が24ヶ月(2年)の場合と60ヶ月(5年)の場合では利息総額には大きな差があります。返済が長期に及ぶと利息総額は膨れ上がり、余計なコストがかかってしまうためくれぐれも注意しましょう。
金利が高く設定されているビジネスローンは運転資金として使用するなど、長期的な資金繰りの手段としては向いていません。無計画で借り入れをしてしまうと、経営を圧迫してしまうことになりかねないため注意が必要です。
まとめ
ビジネスローンと言っても銀行系ビジネスローン、ノンバンク系ビジネスローン、クレジット会社系ビジネスローンなど、商品を提供している金融機関によっても特徴は異なっています。
なるべくなら最低金利が低く設定されている銀行系ビジネスローンを利用したいという方がほとんどだと思いますが、銀行系ビジネスローンの場合、ビジネスローンの中でも審査は厳しめに設定されているため、どうしてもすぐに資金が必要だという時には審査が甘めとされているユニーファイナンスなど知名度の低い消費者金融のビジネスローンを利用するのも一つの手段です。