
資金調達というとまず思い浮かべるのが銀行融資や公的融資などデットファイナンス(負債)によるものですが、審査が厳しく起業したばかりのベンチャー企業など、信用力の低い企業は融資を受けることが難しいというのが事実です。
そこで考えられる選択肢が「ビジネスローン」です。
ビジネスローンは銀行融資や公的融資に比べると借入限度額は低くなりますが、審査は比較的通りやすいと言われています。選択肢も多いため、金利や手数料、返済期間などを比較してよりより良い借入条件で資金を調達することも可能です。
しかし、ビジネスローンの審査は甘いと言われていますが、実際には厳しいところもあります。せっかく良い借入条件のビジネスローンを見つけても、審査を通過出来なければ意味がありませんよね。
そこでこの記事では、審査が甘いビジネスローンの特徴や審査難易度ランキングについて詳しく解説していきたいと思います。急いで資金調達を行いたい時は審査待ちの時間ももどかしいものですよね。審査が甘いビジネスローンの特徴を知っていれば、よりスピーディーな資金調達を行うことが出来るはずです。
ビジネスローンの審査難易度には差がある
「銀行融資や公的融資の審査は厳しいが、ビジネスローンの審査は甘い」そんなイメージがあるかもしれませんが、実はビジネスローンの審査難易度には大きな差があります。
審査が厳しいビジネスローンに申し込んで落ちてしまったという方でも、審査の甘いビジネスローンを申し込めば借り入れ出来る可能性は十分にあるのです。
審査が甘いビジネスローンの特徴や審査難易度ランキングをチェックして、ビジネスローンでの借り入れに活かしましょう。
審査が甘いビジネスローンの8つの特徴
急いで資金調達を行いたい時に申し込むならやはり、審査が厳しいビジネスローンよりも審査の甘いビジネスローンですよね。
ビジネスローンの審査難易度の差は、借入条件の差でもあります。一般的に審査が厳しいビジネスローンの方が審査に時間はかかりますが、金利は低くなります。逆に、審査の甘いビジネスローンの場合は最短即日融資可能なところも少なくありませんが、その金利は高くなる傾向になります。
- ノンバンク系
- 金利が高い
- 即日融資を行なっている
- 保証人や担保が必要
- 証書貸付型ビジネスローン
- 事業融資に特化した金融機関
- キャンペーンなどを行なっている
- 知名度の低い中小消費者金融
審査の甘いビジネスローンには上記のような8つの特徴があります。ここからはこの特徴について1つ1つ詳しくご紹介していきたいと思います。
ノンバンク系
ノンバンク系とはつまり、銀行以外のことです。お金を借りる方としても、より社会的信用がある企業や知名度の高い企業の方が安心してお金を借りることが出来ますよね。
多くの人はまず最初に銀行からの借入を検討し、そしてし銀行での審査に落ちてしまった人がノンバンク系のビジネスローンに流れていくという訳です。そんな人たちを取りこぼさず、沢山お金を借りてもらって、より多くの利息を得るためにもノンバンク系の審査は甘くなっている傾向があるのです。
メガバンクの場合などは大企業を相手にした億単位の大口融資を中心としているため、零細企業や個人事業主では融資条件すらクリア出来ないということもあります。
金利が高い
借入先を検討するための重要な項目の一つが金利ですよね。出来るだけ金利が低いところで借りたいと思うのが当たり前ですが、審査が甘いのは上限金利を高く設定しているビジネスローンです。
審査が甘く、どんな企業でも融資を受けやすいということはその分融資元が背負う貸し倒れリスクが高くなるということです。低金利で貸し倒れされてしまうと、融資元が大きく損をしてしまうことになりますよね。
そのため、審査の甘いビジネスローンは金利を高く設定しているのです。
即日融資を行なっている
即日融資というと売掛債権の売買によって資金を調達するファクタリングに多いですが、現在では即日融資がビジネスローンにも広がりつつあります。
審査期間が短いということは確認項目が少なく、審査が簡易的である可能性があります。赤字決算など、何日もかけて厳しい審査を行う金融機関の場合なら審査に落ちてしまうような企業の場合でも借り入れ出来る可能性があります。
ただし、即日融資を行なっている企業が必ずしも審査が甘いとは限りません。データを利用した自動審査を行なっている場合もあるため、他の特徴とあわせて判断するようにしましょう。
保証人や担保が必要
借り入れの際、保証人や担保が必要になるビジネスローンは審査が甘いことが多いです。
なぜなら、保証人や担保があればもしも貸し倒れしてしまった場合でも保証人に残額の返済を要求したり、担保を回収することで利益を守ることが出来るからです。
中でも返済から逃れることが出来ない連帯保証人を必要とする契約のビジネスローンの場合、審査はかなり甘くなる可能性があります。
証書貸付型ビジネスローン
証書貸付型ビジネスローンも審査が甘めになります。証書貸付とは、金銭消費貸借契約証書を差し入れて受ける融資のことで、これをビジネスローン商品として打ち出している業者もあります。
追加融資の額も融資元が決めることが出来るため、融資元は融資額をコントロールすることが出来るのです。主導権が融資元にある証書貸付型ビジネスローンは、審査が甘くなる傾向にあります。
事業融資に特化した金融機関
個人相手のローンを展開してておらず、法人向けのローンや個人事業主向けのローンに特化した金融機関の場合も審査に通過しやすくなります。
事業融資に特化した豊富なノウハウを持っているため、審査の際にもギリギリのところを見極めて融資実行してくれる傾向があります。
キャンペーンなどを行なっている
企業によってはキャンペーンなどを行なったり、ただ貸付するだけでなく付加価値をアピールしているところもありますよね。このようなキャンペーンを行なっている金融機関は審査が甘い可能性があります。
融資先を確保することが出来なければビジネスローンは成立しません。利用者が少なく、キャンペーンで利用者を釣りでもしないと利用してもらえないという企業は審査を甘くするしかないのです。
ただし、キャンペーンを行なっている企業が全て審査が甘いというわけではありません。他者との競争に勝つためだったり、ビジネスローンの申し込みが増える時期に効果的に利用者を増やすためにキャンペーンを行う金融機関もあります。
知名度の低い中小消費者金融
借入条件が全く同じだとしたら、知名度が高いビジネスローンと知名度が低いビジネスローンなら知名度が高い方から借りたいと思うのが普通ですよね。
知名度が低い中小消費者金融の場合、利用者の絶対数が少ないため、少しでも多くの人に借り入れしてもらうために審査を甘くしていることがあります。
そのため、審査が甘いだけでなく大手には門前払いされてしまうような業績でも借り入れ出来たり、無理を聞き入れてくれたりする可能性があります。
ビジネスローン審査難易度ランキング
審査が甘い傾向があるビジネスローンの特徴について詳しく解説してきましたが、ここからはビジネスローンの審査内の難易度をランキング形式でご紹介していきたいと思います。
審査難易度が低い順でご紹介していきますので、審査の甘いビジネスローンを申し込みたいという人は参考にしてみてください。
1位:中小事業者金融
数ある企業の中でも最も審査基準が甘いとされているのが中小事業者金融です。中小事業者金融と呼ばれる企業としては「ユニーファイナンス」「アークファイナンス」「ベルシステム」がありますが、始めて名前を知ったという人も多いのではないでしょうか?中小事業者金融の中には業歴数十年という老舗企業も多いです。
知名度が低いこれらの中小事業者金融に申し込む人の多くは、既に他のビジネスローンの審査に落ちてしまった人達です。ということはつまり、貸し倒れリスクが高い相手ということになります。
しかし、だからと言って融資を断れば自分たちの事業が成り立ちません。そのため、審査が甘くなるのです。担保、連帯保証人が必要となる場合もあり、審査に申し込めば高い確率で通るはずです。
ただし、借入上限に対し最長返済期間がかなりタイトに設定されているケースもあるため利用前にはよく検討することが大切です。
2位:大手事業者金融
三井住友ファイナンス&リース、NECキャピタルソリューション、NTTファイナンスなどの大手事業者金融も審査が甘めと言われています。
個人への融資は行なっていないため、事業者に利用してもらわないことには利益が出ないからです。とはいえしっかりした親会社を持つ大企業ですから、最低限のことはクリアする必要があります。
3位:大手消費者金融
レイク、プロミス、アコムなどの大手消費者金融も審査はやや甘めです。中には個人事業主向けのビジネスローンもあるため、個人事業主の方は大手消費者金融での融資を検討してみるのもいいかもしれません。
個人向けローンの延長にある大手消費者金融による融資は金利が高めに設定されています。なお、審査の際に他社の借入状況についてもチェックされている可能性が高いです。
4位:信用組合・信用金庫
保証会社を通してビジネスローンの提供を行なっている信用組合や信用金庫は銀行に比べると審査は甘くなりがちです。
変動金利が適用され返済計画が立てにくいものもあるため、申し込む際はしっかりと比較し検討しましょう。
5位:ネット銀行
ジャパンネット銀行や住信SBIネット銀行などのネット銀行は今ではかなり普及しましたよね。今ではネット銀行もビジネスローンを展開していますが、銀行ほどビジネスローンの知識があるわけではないため、審査は比較的厳しめとなっているようです。
6位:銀行
全国的に知名度の高いメガバンクはもちろん、地方銀行も審査はかなり厳しめです。大手企業への融資をメインに行なっている銀行はそれだけでも十分に利益を出すことが出来るため、わざわざ中小企業を対象とした融資を行う必要がないのです。
ましてや貸し倒れリスクのある企業に融資を行えば損失を出してしまうことになります。このような損失を出さないためにも、銀行はしっかりと時間をかけて厳しい審査を行なっています。
まとめ
審査の甘いビジネスローンの特徴と審査難易度のランキングをご紹介させていただきましたがいかがでしたでしょうか。なかなか審査を通過することが出来ない企業からすると審査の甘いビジネスローンは魅力的かもしれませんが、審査の甘さには理由があります。
審査の甘いビジネスローンは高金利となることが多く、その分返済が大変になるということも理解した上で借入を行うようにしましょう。
なるべく低金利のところから借入するなど、借入条件をある程度選択したいのであれば余裕を持って資金調達を行うことが大切です。