
会社運営や事業の状況によっては、資金調達が必要となる場面が少なくありません。
資金調達の一つとして考えられるビジネスローンですが、審査について「どのような審査があるのか?」と、疑問を持っている方は多いのではないでしょうか?
ビジネスローンではコンピューターで素早く判断をする審査もありますが、独自の審査を設けている会社も存在しています。
こちらの記事ではビジネスローンで行われる独自審査の5つの特徴に加えて、審査ポイントや注意点について解説していきます。
ビジネスローンの独自審査を利用する時の役立つ記事となっておりますので、どうぞご覧ください。
ビジネスローンのご紹介
ビジネスローンとは、法人や個人事業主が事業資金として利用できる、使途自由のローン商品のことで、大きく分けて「ローンカード型」と「事業融資型」のビジネスローンが2つに分類することができます。
一般的にビジネスローンの使途は自由、無担保、保証人は不要、限度額1,000万円ですが、金利は5.0%~15.0%と他のローンと比較すると高い金利が設定されています。
◆種類
・ローンカード型
・事業融資型
◆使途 自由
◆限度額 最高 1,000万円
◆無担保 第三者保証人なし
◆高金利 5.0%~15.0%
以前は銀行が主体としてビジネスローンを扱っていましたが、ほとんどの銀行が撤退傾向であることで、今では主にノンバンクが主体となって提供しています。
ビジネスローンの審査
審査はスコアリングシステムによる自動審査が採用されていることが多く、最短即日融資も可能となります。
スコアリングシステムとは、利用者が作成したデータを元に機械が自動的に審査を行うシステムのことです。
人間の目で行われる審査よりも時間がかからず、作成した書類に問題がなければ審査がスムーズに進んでいきます。
また、ビジネスローン中では、独自審査という方法も用いられています。
この審査方法は、大手のビジネスローンの審査に通過できない方にとって、通過できる可能性が高まる審査のやり方です。
次に、ビジネスローンの独自審査について、詳しくみていきましょう。
ビジネスローンで行われる独自審査の5つの特徴
ビジネスローンで行われる独自審査は、人間の手で審査が行われノンバンクごとに審査基準が異なっています。
独自審査は、どのような特徴を持っている審査方法なのでしょうか?
次に、独自審査の5つの特徴について解説していきます。
特徴1:人間がおこなう審査
まずは、独自審査とは、コンピューターが行うスコアリング審査と異なる審査だということを、確認しておいてください。
大手消費者金融や銀行が提供しているビジネスローンでは、「決算内容」「個人信用情報」「他社借入状況等」などの情報をコンピューターに入力し審査し、限度額や適用金利を決定していきます。
独自審査の場合には、ノンバンク独自の審査方法に基づき、人間が判断し審査を行うというのが特徴となります。
特徴2:ノンバンクそれぞれの審査基準
ビジネスローンの独自審査は、ノンバンク独自の判断基準で決められているため、それぞれの会社で大きく判断基準が異なっていますが、ノンバンク側にとって返済や回収が可能だと判断されれば審査が通ります。
現金が難しいようなら差し押さえる不動産があれば融資が可能となる場合、有力な保証人が用意できれば融資が可能となる場合など、独自の基準が設けられています。
特徴3:中小の消費者金融で使われることが多い
独自審査が行われているのは、大手のノンバンクではなく、中小の消費者金融です。
中小の消費者金融に融資を申し込む方の多くは、銀行や大手消費者金融の審査に落ちていることが多く、大手と同じ基準の審査では通ることができないために、中小の消費者金融で利用されているのです。
特徴4:信用情報が重視されない
ビジネスローンの独自審査では、信用情報が重視されないというのも特徴の一つです。
会社で独自の審査基準を設けているために、信用情報よりも設けている審査基準の方が重視されます。
特徴5:債務超過でも借入ることができる
独自審査では、個人資産や人間性、第3者保証などで判断する場合があるために、債務超過していても融資を受けらる可能性があります。
銀行融資などでは、赤字や債務超過になっていると審査に通ることができませんが、もしも債務超過で審査を落ちたのなら、ビジネスローンの独自審査を申し込んでみるとよいでしょう。
独自審査で重点的にみられる4つの項目
ビジネスローンの独自審査は会社によって異なっていますが、重点的にみられる共通している項目が存在しています。
それは、申込者の返済能力や経済状況、さらには他社借入の状況についてです。
ビジネスローンの独自審査を通過したいのであれば、自身の返済能力や経済状況、他社借入の状況について、よく確認しておきましょう。
1.返済能力があるか?
自身に借入れた金額に対して、返済能力がないのなら、どのような会社のビジネスローンでも利用することは難しくなります。
独自審査では、赤字があったとしても返済能力が備わっているのであれば審査を通過できる可能性が出てきますが、その反対に経営状況が安定していても返済能力が不足していれば審査に通ることは難しくなります。
例えば、現時点で黒字経営を行っていたとしても、返済できる収益とは認められない場合には審査が通過できないというケースも存在しています。
要は、しっかりと返済できるだけの収益があるかと言うことになります。
2.経営者個人の人間性はどうか?
独自審査では、返済能力のほかに経営者個人の人間性においても見られることになります。
さらに会社の資金繰りが落ち込んだ理由、立て直し策などを熟知していることと同時に、面談によって誠実な人間性が判断されれば審査を通ることができます。
面談の時には、審査担当者から尋ねられたことを正確に答えて、誠実な人間性をアピールしてください。
3.経営者個人の資産の有無
会社の経営状態や資金繰り、信用力のほかにも、独自審査では経営者個人が所有している資産にも重点をおいています。
法人や個人事業主に対して行われるビジネスローンは、経営者が連帯保証人になるために、返済できないのなら経営者に返済の義務が生じてくるためです。
そのために、経営者個人の資産の有無については、独自審査の重要なポイントとなるのです。
「経営者から回収できればよい」と考えているノンバンク側から見れば、会社の状況が悪くても、返済可能な資産を持っている経営者がいることで、返済できると判断されて融資を受けられるようになります。
4.他社の借入は多すぎないか?
独自審査では、申込者の他社への借入金があまりにも多すぎると審査が厳しくなります。
他社での借入を行っていたとしても、少額の借入は問題にはなりませんが、多くの金額を借入れている方は注意してください。
ただし、ノンバンクによって独自審査の方法は異なりますので、会社によっては他社から多くの借入をしていても、融資を受け付けてくれる場合もあります。
ビジネスローンの独自審査の注意点をチェック
ビジネスローンの独自審査は、一般的に行われているスコアリング審査と異なるために、利用する際には、いくつかの点に注意しておく必要があります。
中小の消費者金融がおこなっているために、金利が思った以上に高く設定されていたり、中にはヤミ金が偽装しているケースがあるからです。
次に、ビジネスローンの独自審査を受ける時の注意点をみてみましょう。
金利が高い
独自審査を行っている金融機関は、通常の審査基準よりも通りやすいとされていますが、その代わりに、高金利が適用されることになります。
法律で認められる範囲であっても、金利が高いとなればビジネスローンを利用する方にとっては大きな負担となるでしょう。
「金利が1%増えると、返済額がどのくらい多くなるのか?」などを、借りる前にしっかりと確認しておきましょう。
担保がなくなってしまう可能性
独自審査を行っているビジネスローンの中には、会社や経営者個人の不動産を担保として融資が行われることがあります。
担保として提供しているのであれば、返済できないときには担保は競売にかけられて、手放すことになってしまいますので、注意してください。
借入れることだけではなく、独自審査の融資を受ける場合には、返済計画もしっかり立てておくことが大切です。
もしも、返済できなくなれば担保とした不動産を失ってしまうこと、自宅を担保とした場合には家族全員の住居までも失ってしまう可能性があることも念頭に入れておきましょう。
ヤミ金に注意しなくてはならない
独自審査を行っている業者の中には、貸金業者であることを隠して登録をせずに行っている、いわゆるヤミ金である可能性は捨てきれません。
もしもヤミ金からお金を借りてしまったのなら、借入れた金額が完済できないような高金利に設定されてしまう恐れがありますので、注意してください。
利用する前には、下記の金融庁ホームページの登録貸金業者検索サービスで必ず確認しておくようにしてください。
まとめ
ビジネスローンで行われている独自審査の5つの特徴に加えて、独自審査で重点的にみられる4つの項目、利用する際の注意点について、詳しく解説してきました。
ビジネスローン独自審査は、一般的に行われるコンピューターによるスコアリング審査と違う、人間が行う審査です。
大手ビジネスローンのスコアリング審査とは異なった審査基準となっていますので、銀行や大手消費者金融での審査に通ることができなかった方は、ビジネスローンの独自審査をお試しになってみてはいかがでしょうか?
ただし、高金利やヤミ金の可能性がありますので、利用する際には金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で確認してから利用するようにしてください。