
赤字決算を出してしまった…
業歴が短いから決算書を用意する事が出来ない…
様々な理由から決算書を提出する事ができず、ビジネスローンで資金調達をしようと考えているにも関わらず一歩を踏み出す事が出来ない方は多くいるかと思います。
ビジネスローンはスコアリングの自動システムを採用しており、既に事業を開始している方に向けたローンである事から、審査の時に決算書の提出はほぼ必須となっている為、決算書がなければビジネスローンで借入する事が出来ないと考えている方が多いのではないでしょうか。
しかし、これは誤解です。
ビジネスローンは決算書不要でも事業資金を調達する事が出来る商品です。この記事では、法人向けと個人事業主向けに用意されている、決算書不要で資金調達する事が可能なビジネスローンを紹介していきたいと思います。
提出書類を少なくする事でよりスピーディーな資金調達が出来る一方、デメリットや条件をつけられる事もありますので、ビジネスローンを借入する時の決算書の在り方も含めて以下の項目で説明していきます。
ビジネスローンの審査に決算書が必要な理由
ビジネスローンは銀行融資よりも審査が緩く、簡単かつスピーディーに借入する事が出来る印象を持っているかと思いますが、皆さんが思っている以上に実は審査の為の必要書類の量が多いです。
- 本人確認書類
- 収入証明書類(源泉徴収票、確定申告書、所得証明書、課税証明書)
- 事業関連書類(登記事項証明書、決算書、決算報告書)
提出を求められる主な書類は上記のもので、企業によって提出書類は異なりますが、特に会社の財務状況を伝える上で重要な決算書に関しては、ほとんどのビジネスローンで提出が義務付けられています。
なぜビジネスローンの審査に決算書が必要なのかを以下の項目でまずは説明していきましょう。
返済能力の確認
最大の理由は返済能力がある企業なのかどうかをチェックする為です。ビジネスローンにより資金を提供する企業は民間です。民間企業の利益は資金を提供した後の利子付きの返済で利益を生み出す訳ですから、きちんと返済してもらえる企業なのかどうかは事前に必ずチェックしたいですよね。
特にビジネスローンの場合は、銀行融資や公的機関の審査を落ちた後に資金調達を受けにくる場合が多いので、返済能力があるかどうかはシビアに判定されます。
返済能力があるかどうかをチェックする為に最も重要な書類が決算書です。決算書とは、貸借対照表・損益計算書・キャッシュフロー計算書などの総称なので、多角的な視点で経営状況を確認できますので、現在の経営状況を一発でチェックする事が可能です。
返済能力の低い企業に融資してしまっては貸し倒れリスクに陥る可能性がありますので、そのリスクを限りなく少なくする為に、決算書の提出を義務付けているビジネスローンが多いのです。
資産状況の確認
万が一、貸し倒れになってしまった場合に換金可能な資産が残っているのかどうかも重要な融資判断ポイントになります。不動産・有価証券・現金などが十分にある場合はビジネスローン審査ではかなりのプラスになり、これらの資産状況も決算書でチェックしています。
上記でも紹介したようにビジネスローンは民間企業ですから、貸し倒れリスクがあり、もしも倒産してしまった時に回収できる見込みがない企業には融資する事を躊躇します。万が一の事態に陥っても返済は最低限は大丈夫という保険があれば融資審査には優位に働くでしょう。
2期分以上を求められるケースが多い
基本的にビジネスローンの審査では、2~3期分の決算書の提出を求められるケースが多いです。理由は、資金繰りが悪いのは一時的な現象なのか、それとも慢性的に資金繰りに困っているかを判断する為です。
財務状況を克明に記した決算書には正確な経営状況が記されていますので、2~3期分の決算書をチェックする事でこの資金繰りが一時的なものなのかどうかを確認する事が可能です。
ビジネスローンの基本的な考え方としては、一時的な繋ぎ資金として利用するケースが一般的なので、慢性的な資金繰りに苦しんでいる企業に対しては審査が厳しくなる傾向にあります。
決算書不要ビジネスローン利用前に知っておくべき事
上記で説明したように、本来であればビジネスローンを活用して融資を受ける場合には、決算書は最も必要不可欠な書類になります。それがなくても借入可能なビジネスローンを以下で紹介していきますが、借入を行う前に理解しておかなければいけない点を以下で2つ紹介していきます。
他の条件が厳しくなる
決算書とは会社の信用度をチェックする為に最も注目しなければいけない書類です。それをチェックせずに融資をするという事は、ビジネスローン側としては貸し倒れリスクが上昇するという事になりますよね。その為に、書類提出のハードルを下げる変わりに、他の部分で条件が厳しくなっていきます。
分かりやすい点で言うと以下の点が挙げられます。
- 金利
- 返済期限
- 審査
- 借入上限
分かりやすい点で言えば金利です。決算書を見て財務状況をチェックせずに融資をするので、貸し倒れリスクが高い相手に資金を貸すのであれば、金利を多くとって少しでも元手を回収しておこうというのは普通の考え方ですよね。決算書などの書類提出は少ないものの、決算書をきちんと提出して行うビジネスローンよりは、金利が高いケースが多くあります。
更に審査も厳しくなり、融資上限が決められている場合もあります。例えば、決算書を通算2期提出してくれる法人であれば上限は1000万だけども、決算書を提出できない企業の上限は300万円など、条件が厳しく設定される事が多く考えられます。
担保や保証人が必要になるケースがある
上記でも説明したように、お金を貸す側が恐れるのは貸し倒れです。決算書を見ないで資金を提供する訳ですから、貸したお金が返ってこないというケースが最も怖い訳です。
という事で、決算書は出さなくてもいいけど担保や保証人が必ず必要というケースは考えられます。
貸し倒れによる回収失敗を回避するのが目的で、担保や保証人を用意してくれるのであれば決算書を提出しなくても融資を行うけど、用意できなければ融資は出来ませんと断られる可能性はあります。
特にスタートアップやまだ業績を残していない企業に融資を行うのはリスクが大きいので、回収失敗になるリスクを負わないように担保や保証人を用意しなければならないと事態は考えられます。
決算書不要の法人向けビジネスローンを紹介
上記で説明したように、ビジネスローンで借入する為に決算書が必要書類の重要なファクターを持っている点は否めない事実です。しかし、中には決算書不要で融資をしてくれるビジネスローンがあります。
まずは法人向けビジネスローンで、決算書不要でも融資を行ってくれる企業を3つ紹介していきます。
りそなビジネスローン「活動力」
決算書不要の法人向けビジネスローンでまずオススメしたいのが、りそなビジネスローンの活動力です。決算書2期未満の場合は上限が100万円になるという条件はあるものの、決算書を提出せずに、来店不要で即日資金を調達する事が可能なビジネスローンです。
原則的に来店不要で融資を受ける事が可能であり、メールや電話で問い合わせを行い、郵送などで手続きを全て完了する事が可能。無担保で第三者保証も不要なので、保証人などを用意する事ができない方でも気軽に融資を受ける事が可能です。
直近2期分の決算書を用意する事が出来れば最大500万円までの融資が可能。決算期が到来していない場合は直近決算書まででも融資を受ける事が出来ます。1回目の決算期が到来していない場合はなしでも大丈夫!その変わりに上記で説明した上限100万円の上限がある事は理解しておきましょう。
商品名 | りそなビジネスローン「活動力」 |
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資金使途 | 創業資金を含む事業資金 |
利用可能条件 | ・アイフル株式会社の保証を受けられる方 ・原則として信用保証協会利用対象業種であること(農林水産業は可) ・連帯保証人(法人代表者)、借入人(個人事業主)の借入申込時の年齢が満20歳以上69歳以下であること(※3) ・手形交換所または電子債権記録機関の取引停止処分を受けていない方 ・連帯保証人(法人代表者)、借入人(個人事業主)が日本国籍以外の場合は、・永住者または特別永住者であること |
融資額 | 10万円~500万円 ※法人の方で決算書2期未満の場合は上限が100万円 |
契約期間 | 法人:3年(1年毎の定期審査、3年毎の継続審査) 個人事業主:1年(1年毎の定期審査) ※審査の結果、希望に添えないと判断される場合あり。 |
融資利率 | 年6.0%、年10.0%、年14.0%(保証料を含む) |
返済方法 | 毎月の約定返済日の貸越残高に応じて、以下の返済額を指定の口座から児童引き落としになります。
2万円~100万円⇒2万円 |
必要書類 | 【法人】 ・直近2期分の決算書(税務署受付印またはe-tax利用による受信通知があるもの) ※但し、決算期が到来していない場合は直近決算書までで可。1回目の決算期が到来していない場合は不要。 ※決算書は別表一(一)、別表四、貸借対照表、損益計算書(販売費一般管理費内訳書含む)、勘定科目内訳書、個別注記表、株主資本変動計算書をご用意ください ・履歴事項全部証明書(商業登記簿謄本)(発行日より3ヶ月以内) ・代表者の方の本人確認資料(運転免許証(両面)・パスポート・健康保険証など)【個人事業主】 ・本人確認資料(運転免許証(両面)・パスポート・健康保険証など) ・所得証明資料(お申込金額が300万円超の場合) |
申込ページ | https://www.resonabank.co.jp/hojin/service/kakushu/businessloan/ |
みずほスマートビジネスローン
日本三大メガバンクの1つ、みずほ銀行が提供するビジネスローンは、決算書不要の法人向けビジネスローンです。完全に法人向けとなっていますので、個人事業主の方は利用する事が出来ません。
最大で1000万円まで事業資金を調達する事が可能で、来店不要のオンライン完結型。更に決算書も不要という事もあり、かなり融通が効くビジネスローンであると言えるでしょう。
AIを活用した審査モデルを構築しており、決算書が不要であるという点からスタートアップなどの実績を残していない企業でも融資を受けられる可能性があります。
注意点としては、ビジネスローンの中でもトップクラスで審査ハードルが厳しいという点です。将来の事業計画に利益増加の見込みが期待できないと判断された場合には融資に至りません。決算書不要の変わりに審査は厳しく厳正になっていますので、その点は利用前に理解しておきましょう。
商品名 | みずほスマートビジネスローン |
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資金使途 | 運転資金 |
利用可能条件 | 以下のすべての条件を満たす法人の方
・みずほ銀行に一定期間、口座(普通預金または当座預金)を持っている |
融資額 | 10万円~1000万円(5万円単位) |
借入期間 | 12ヶ月以内(1ヶ月単位) |
借入利率 | 年率1%~14% |
返済方法 | 元金均等返済、期限一括返済(借入期限1ヶ月の場合のみ) |
担保・保証 | 担保不要、代表者の連帯保証が必要 |
問い合わせ先 | desk.mizuholending@mizuho-bk.co.jp |
アルトア
続いての法人向け決算書不要で借入する事が可能なビジネスローンは、オンライン融資サービスのアルトアです。『融資を、もっとシンプルに、軽やかに』をコンセプトにしているアルトアの大きな特徴は以下にあります。
- 決算書不要!オンラインで全て完結可能
- 最短即日で融資可能
- 担保、保証人、連帯保証など全て不要
- 金利が安い
弥生の会計データを活用したオンライン融資サービスであるアルトアの申込は非常に簡単でシンプル。弥生の会計データをアップロードして、ウェブ上の入力だけで全て完結可能です。
法人でも個人事業主でも利用する事が可能なビジネスローンで、決算書を始めとした面倒な書類を用意する手間は全て省く事が可能です。スピーディーな資金調達が可能なので、少額の事業資金調達に最も適しているサービスであると言えます。
商品名 | ALTOA(アルトア) |
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資金使途 | 事業に必要とされる資金 |
対象者 | 法人、個人事業主 |
融資額 | 50万円~300万円(10万円単位) |
返済期間 | 最長12ヶ月 |
返済方法 | 元金均等返済⇒3、6、9、12ヶ月 期限一括返済⇒3、6ヶ月 |
金利 | 年率2.8%~14.8% |
担保・保証 | 不要 |
公式HP | https://www.altoa.jp/ |
決算書不要の個人事業主向けビジネスローンを紹介
上記で決算書が不要な法人向けビジネスローンを3社紹介してきましたが、以下では個人事業主向けのおすすめビジネスローンを紹介していきたいと思います。個人の方は特に繋ぎ資金などで少額資金を調達しなければいけない場面において、ビジネスローンは非常に有効なものです。
以下では決算書不要で即日融資を受ける際におすすめの、個人事業主向けビジネスローンを紹介していきたいと思います。
ビジネクスト
ビジネクストは事業融資に特化した金融業者で、個人事業主から中小企業の間で注目されており、早期の資金繰り改善に最もふさわしいビジネスローンです。
申し込みはスマホからでも可能で、最大1000万円まで融資可能。原則的には通算2期の決算書の提出が必須となっていますが、業歴が浅く決算書がなくても審査を受ける事は可能です。融通が効く審査を行ってくれて、経営をささえるビジネスローンに特化している為、業歴が浅く決算書を用意する事ができなくても門前払いにあったりはしませんのでご安心下さい。
ビジネスローンの中では高額な最高で1000万円までの融資を受ける事ができ、担保融資があれば最高で1億円の融資にも対応してくれます。スピーディーかつ高額融資を希望している方には最も合っているビジネスローンであると言えるでしょう。
商品名 | ビジネクストビジネスローン |
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資金使途 | 事業資金 |
対象者 | 法人、個人事業主(申し込み時年齢が満20歳から満69歳) |
融資額 | 50万円~1000万円 |
契約利率 | 年率3.1%~18.0% |
返済 | 元利均等返済:最長5年(60回以内) 元金一括返済:最長1年(12回以内) |
担保・保証 | 不要 |
書類 | 【法人】 ・代表者ご本人様を確認する書類 ・決算書 ※その他必要に応じた書類【個人事業主】 ・ご本人様を確認する書類 ・確定申告書 ・当社所定の事業内容確認書 ※その他必要に応じた書類 |
公式HP | https://www.businext.co.jp/products/business_loan/ |
ジャパンネット銀行
ジャパンネット銀行の個人事業主向けビジネスローンは必要書類が不要で24時間借入申請を出せる非常に便利なものです。法人の場合は決算書2期分が必要になりますが、個人事業主の場合は不要で、300万円を超える場合のみ所得証明資料が必要になります。
運転資金、事業拡大、設備投資など事業用であれば用途は自由であり、利用限度額の範囲内であれば何度でも利用する事が可能です。申し込みは全てネット完結で来店は不要であり、担保や保証人も必要なく、決算書もいらないので起業したばかりでも借入が可能です。
返済はジャパンネット銀行の口座から自動引き落としになるのでとても楽。月々の返済額も1万円から10万円まで無理のない金額に設定する事が可能です。
商品名 | ジャパンネット銀行の個人事業主向けビジネスローン |
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資金使途 | 事業性資金(運転資金、新規事業立ち上げ資金、急な支払いなど) |
対象者 | 個人事業主 |
融資額 | 10万円~500万円(10万円単位) |
返済期間 | 12ヶ月 |
返済方法 | 毎月定額返済 |
金利 | 4.8%~13.8% |
担保・保証 | 不要 |
公式HP | https://www.japannetbank.co.jp/company/news2019/190530.html |
まとめ
ビジネスローンの審査に必ず必要であると言われている決算書。そもそもビジネスローンは、既に事業を行っている事業主の方に、事業資金を融資すると言う目的で作られたものなので、決算書を出す事が出来ない企業はそもそも対象者に含まれていない場合が多いんです。
【決算書2期提出】を必要書類に明示しているビジネスローンは多く、決算書を用意できない企業はそもそも審査を受ける事すら出来ないというのが一般的ではありますが、上記で紹介した5つの会社であれば、決算書がなくても審査を受ける事ができ、審査を通過すれば普通のビジネスローンと同様に融資を受ける事が出来ます。
しかし上記でも説明したように、決算書を用意できずにビジネスローンを利用するとこちらに不利な条件になる場合が多くあります。
・金利を高く設定された
・返済期限を短く設定された
・上限金額が少ない…
決算書を用意できない以上は上記のような条件はある程度は呑む覚悟がなければいけません。
その中でも上記で紹介した5社は、決算書がなくてもそこまで厳しい条件を課してくるような会社ではありませんので安心して利用が出来ます。決算書を用意する事ができないけど早急な資金調達が必要…そんな時は是非上記で紹介した5社をチェックしてみて下さいね。