何らかの理由でお金が必要になったとき、「銀行からお金を借りる」という手段を検討する人も多いのではないでしょうか?
銀行でお金を借りるとはいっても、銀行には様々なローンがあります。このため、最善の選択をするにはどんなローンがあり、それぞれどんな特徴があるのかをよく理解しておく必要があります。
今回は銀行でお金を借りるための各種ローン5種類とそのポイントを解説します。
①住宅ローン
②マイカーローン
③教育ローン
④フリーローン
⑤カードローン
①住宅ローン
銀行の住宅ローンは、誰もが簡単に借りられるわけではありません。
住宅ローンの借入要件には、借入者本人に対する要件と、購入する物件に対する要件の大きく2つがあり、取り扱う金融機関によってその基準は少しずつ異なっています。
借入者本人に対する要件
〇年齢、最低勤続年数、最低年収など
年齢、最低勤続年数や、最低年収などが設定されています。
これらは、安定した収入があり、今後何十年もの間、返済を続けられるかどうかをチェックするためのものです。
年齢:20歳以上65歳~69歳くらいまで
最低勤続年数:正社員/自営業の場合は最低1~3年以上
最低年収:200~400万程度
〇団体信用生命保険への加入
収入や返済負担率に関する要件のほか、一部の銀行を除いて、団体信用生命保険(団信)に加入できることが条件になっており、加入前に健康状態の告知が必要です。
加入の条件を緩和したワイド団信もありますが、団信に加入できない場合は、住宅ローンの借り入れ自体も厳しくなり、団信加入が任意の住宅ローンを探す必要あるので、あらかじめ健康状態に気を配っておくことも大切です。
物件に対する要件
物件に対する要件は、建築基準法などの法律に基づいてきちんと建てられたものであれば、銀行の住宅ローンはあまり制限を設けていない場合が多くなっています。
とはいえ、担保価値があり、不動産市場での流通性が確保できる物件ということが重要になるので、定期借地権付の住宅や連棟式(一戸建てが何棟も横につながっている集合住宅)などは、借り入れが厳しくなっています。
②マイカーローン
マイカーを購入したい人は、銀行の自動車ローンを利用しましょう。自動車ローンとは、自動車の購入に対するローン商品のことであり、マイカーローンやオートローンとも呼ばれています。
車を購入するときの銀行ローンの流れ
1・車の見積もりを出してもらう
欲しい車が見つかったら、販売店に見積もりを出してもらいましょう。銀行ローンを組むためには、どういった目的で利用するかを証明する確認書類が必要です。
2・銀行ローンで支払いたい旨を伝える
支払い方法は、現金一括もしくは自動車ローンから選ぶことが一般的です。購入が決定すれば、担当者から支払方法について質問があるはずです。銀行ローンでの支払いを希望している場合は、その旨を伝えてください。
3・借入金額と返済方法を決める
見積もりに対して、どれくらい借り入れを行うのかを決めます。一般的には車両価格の10%~30%程度の頭金を用意する人がほとんどですが、フルローンを組むこともできます。
4・金融機関にローンの支払いを申し込む
一般的に審査では、ローンの申し込み金額を返済できるかどうかを、申し込み者の収入などから判断しています。
そのため、頭金が多ければ多いほど、銀行ローンの審査に通りやすくなります。しっかりとした計画を立てて、返済の意思があることをアピールしましょう。
5・振込、支払いを行う
銀行ローンの審査に通れば、希望金額が指定口座に振り込まれます。振り込みのタイミングは金融機関によっても違いますが、基本的には契約が完了した当日もしくは翌日までに支払われることがほとんどです。振り込まれた代金で購入の支払いを済ませましょう。
6・契約、購入
車の支払方法が決定すれば、販売店との契約が成立します。購入資金が用意できない場合は、契約が取り消しになることもあるため注意してください。
その後は購入のために必要な書類を提出して納車日まで待つことになります。
必要書類
車を購入するときに銀行ローンを申し込む場合、さまざまな書類を提出する必要があります。
以下でご紹介する4つの書類はあくまでも一例であり、すべての金融機関で共通するものではありません。それ以外にも金融機関などが用意する書類などの提出が求められる場合があることは覚えておいてください。
・金融機関の普通預金口座
申し込み先の普通預金口座を持っていることで、手続きをスムーズに済ませられることもあります。
・身分証明書
身分証明書は「運転免許証」「運転経歴証明書」「パスポート」「各種健康保険証」「住民基本台帳カード」などです。また、外国人在留者であれば「在留カード」や「特別永住者証明書」などが身分証明書として利用できます。
・年収証明書
銀行ローンの審査では、申込者の収入を確認するため年収証明書を提出が求められます。年収証明書は「源泉徴収票」「納税通知書(所得税・住民税)」「給与明細書(直近3ヶ月以内のもの)」「課税証明書(所得証明書)」などです。
・見積書
車の購入であれば販売店から発行してもらえる見積書や注文書などです。ただし、見積書などを提出した場合は、契約手続きまでに金額が確定した書類を別途で求められることもあります。
審査基準
それぞれのローンによって審査基準の厳しさに差はありますが、具体的には以下の項目に気をつけていれば、審査も通りやすいです。
反対に、次の項目に該当していると、審査に落ちやすくなります。
〇カーローンが下りる審査基準
・過去にローンの返済が長い間滞っていたり、債務処理で問題を起こしたことがある
・税金の支払いが滞っている
・年収に占める返済額の割合(返済負担率)が35~40%
・他社からのキャッシング回数が多い
・アルバイト、パート、学生、年金受給者
・年収200万円以下
・今の職に就いて1年未満
・申し込み内容に嘘があった
・30代以上なのにローンやクレジットの利用経験が無い(スーパーホワイト)
以上の項目に思い当たる節がある場合、金融機関により違いはありますが、それが原因で審査に落とされてしまう可能性があります。
該当する場合はその他の支払い手段を考えた方が良いかもしれません。
③教育ローン
銀行などからお金を借りる時には、義務教育以上の学校、専門学校、私立の小学校・中学校が対象になります。
入学金や授業料などまとまったお金が必要な時に借りることができます。
教育ローンは、金融会社が個人を対象に行う、使途を教育関係経費に限定したローンのことです。学生の保護者(扶養者)が、学費などの支払のため利用するケースが多いです。
教育ローンとは
教育ローンとは、用途が学生の教育費に限られたローンのことです。
学資ローン、学費ローン、大学ローン、進学ローン、学資融資などとも呼ばれます。
国の機関である日本政策金融公庫のほか、銀行、信販会社などさまざまな金融機関が取り扱っているため、金利などの詳細は各ローンによって異なります。
個人口座ではなく学校に直接振り込まれる
当然のことながら、教育ローンの融資を他の住宅ローンやカーローンに利用することはできません。
そのため、個人の口座ではなく、対象の学校に直接振り込むようにしている銀行が多いです。
学校提携ローンに注意
最近では、学校のパンフレットに〇〇大学提携ローンなどと記載されていることがありますが、特に金利などにメリットがあるわけではないことが多いので注意してください。
申請時期に注意
お金を借りるためには審査があり、受験シーズンには申し込みが殺到して通常よりも審査日数が長くなることが予想されます。
したがって、合格通知を受け取った後ではなく、受験料を支払った段階で早めに教育ローンを申請することがポイントです。
④フリーローン
フリーローンは、主に銀行が扱っている個人向けローンサービスです。融資を受けることができるという点では、カードローンと大きく変わりはありません。
事業資金には使えませんが、利用目的の制限はありませんし、カードローンと同じように審査を受ける流れとなっています。
フリーローンの仕組み
フリーローンの金利はカードローンやキャッシングと比較すると半分以下という金融機関も多くあります。金利が低い、また追加で融資を受けられないという点から、返済スピードも早い傾向にあるのが特徴です。なお融資実行までには1週間程度を要します。
フリーローンの使い道
ほとんどの金融機関で「事業性資金や投機性資金以外であれば目的を問わない」としています。
担保は銀行により異なりますが、担保有りのほうが担保無しよりも低金利でまとまった金額を借りられる傾向にあります。
フリーローンの特徴
フリーローンは申込時に申告した特定の使い道にしか借りたお金を使用することができないローンです。
そのため、基本的には、申込時にお金の使い道と金額を証明するために、見積書などを銀行へ提出する必要があります。
また、「確かに、当初の目的へ借りたお金を使用した」ということを証明するために、融資金を銀行が支払先へ直接振り込むか、お金の支払いを終えた後、その領収書を銀行に提出する必要があります。
フリーローンの種類
フリーローンには、申込時に申告した特定の使い道にしか使用できない、「多目的ローン」と、カードローンのように融資金の行方は一切追わない(資金使途証明書類が必要ない)フリーローンも存在し、このローンは、カードローンの一括融資型とも言うことができます。
また、目的ローンの中には結婚資金や介護などの特定の使い道だけに限定して金利が優遇されているローン商品も存在しますが、基本的にフリーローンや多目的ローンでは見積書さえあればどのような使い道に対しても利用することが可能です。
⑤カードローン
銀行のカードローンは一般的な消費者金融系のカードローンと使い勝手はほぼ同じです。
一度審査に通ってしまえば、延滞などがない限り追加で借りることも可能になるので、何度も利用したい人にはおすすめです。
特徴
急いでいるときや何度もお金を借りる必要がある場合に便利です。
ただし、消費者金融と違い即日融資は行えなくなりましたので、即日お金を借りる必要があるという方には不向きです。
審査について
銀行カードローンの審査は保証会社がお客様の代わりに債務保証できるか否かで決まります。
保証会社が審査をするため、大手銀行だから審査が厳しい、地方だから甘いという事はありません。
審査基準は各社異なり1社で否決されても他の銀行で通らないという事もありません。
審査に通らかった場合、審査の保証会社が異なる銀行に申込ましょう。
事前に理解しておけば¨無駄な審査落ち¨の可能性を下げる事ができます。
銀行系カードローンの金利
主な銀行系カードローンの金利は以下のようになっています。
銀行名 | 金利 |
三菱UFJ銀行カードローン | 4.6%~14.6% |
みずほ銀行カードローン | 4.0%~14.0% |
三井住友銀行カードローン | 4.0%~14.5% |
りそな銀行カードローン | 3.5%~12.475% |
銀行と消費者金融の違い
基本的には下記のようになりますが、パート、アルバイトの方も多く銀行カードローンは利用しています。
あくまで参考のイラストとなります。昨今、銀行カードローンではなく銀行系カードローンという言葉を良く耳にしますが、銀行系とは銀行の子会社、グループ会社などの消費者金融を指します。
【銀行は銀行法】、【銀行系は消費者金融に属するため貸金業法】が適用されます。
審査を通過したあと
審査に通過するとカードが発行され、そのカードで利用限度額の範囲内なら、借り入れや返済を自由に行うことができるという特徴があります。
資金用途も原則自由となっており、生活費や娯楽費に数万くらいのお金を借り入れたいという場合にはとても便利なローン商品になります。
まとめ
今回は銀行でお金を借りる方法にとポイントに視点を当ててご紹介しました。
銀行でお金を借りる方法は様々あり、その特徴も異なることがご理解いただけたと思います。
銀行でお金を借りるなら、そうした点をしっかり理解し、ご自身に最適なローンを選択する必要があります。まずは利用目的をはっきりさせ、向いていそうなローンをいくつかピックアップしましょう。
そしてそれぞれの特徴やポイントを把握し、もっとも最適だと思うローンを選択するのが上手に利用するコツです。