そもそも補助金や助成金とは、対象者が条件を満たした場合に国や地方自治体から支給されるお金のことです。
現代社会において、子育ての環境や設備がいくら備わったところで金銭的なサポートがなければ子育ては充実しないものです。
本記事では、これらに該当する親御さんを対象として、国や地方自治体ではベビーシッター利用時にはどういった助成金制度があるのか?それらの例をご紹介します。
ベビーシッター派遣事業とは?
残業や夜勤といった様々な働き方をしている家庭で、ベビーシッター派遣のサービスを利用します。
その際に、ベビーシッターにかかる利用料金の一部または全額を国や地方自治体が助成する制度がベビーシッター派遣事業です。
ベビーシッターを利用する理由は?
ベビーシッターを必要とする理由は様々ですが、主な対象としましては、保安協会が承認した企業に勤めていて小学3年生までの子供を持つ保護者となります。
また、以下に該当する保護者の場合、助成金制度の対象となる場合が多いため、助成の対象となるのか判断してみましょう。
・出産後の育児や家事の支援が必要
・病児保育支援が必要
・子育てにおいて全般の支援が必要
上記3つのでベビーシッターを利用する方が多いので、参考にしてください。
出産後の育児や家事の支援が必要
出産後で間もなく、身体の負担が辛い方を対象として、家事や育児の支援のためにベビーシッターのサービスを利用する場合、助成金制度の対象となる自治体があります。
目的は、子供の育児や家事をサポートすることで、出産後の心のケアと身体の負担の軽減することです。
そのため、生後で6か月未満の赤ちゃんがいる親御さんを対象として自治体の助成金の対象となることが多いです。
病児保育支援が必要
子供が病気にかかり、登園や登校が難しいときに病児専門のベビーシッターサービスが必要なとき、補助金制度が適用できる自治体があります。
これには、ベビーシッターのサービスを利用する前後1週間以内に医療機関で受診していることや、ベビーシッターサービスの提供に関しては自治体が指定するベビーシッターの会社を利用することを条件とする場合が多いです。
子育てにおいて全般の支援が必要
ケースは大雑把ですが、保護者が出産後間もない場合や、子供が病気のときなどを対象としてベビーシッターによるサービス全般の助成金対象とする自治体があります。
例をあげますと、2~3歳の子供を持ち、入所する保育園が決まっておらず、待機児童を抱えながら仕事をしていたり、育休明けに復職するまで認可保育園への認可ができていない方が対象となります。
子育てをするうえで、ベビーシッターを利用する必要性は様々ですが、主にこれらに該当する場合はベビーシッター助成事業によるサービスを受けることを検討するべきです。
助成金の概要と助成金の利用で注意すること
ここまで、ベビーシッターが必要とされる理由をお話しましたが、そもそもベビーシッターの助成金はどのようなものなのでしょうか?
そこで、ベビーシッターの助成金の概要や、それを踏まえたうえで利用の注意点を解説していくので、必ず確認するようにしてください。
助成金の概要
令和2年現在におけるベビーシッター派遣事業の取り扱いについては、公益社団法人の全国保育サービスのサイトによりますと2つに分類され、仕事と育児の両立支援として利用できる通常分と、双子などの家庭が利用できる多胎児分の2つに分類されます。
1.ベビーシッター派遣事業(通常分)
協会が事業主と連携し、事業主等に雇用される労働者がベビーシッター派遣サービスを利用した場合に、その労働者が支払う利用料金の一部または全額を助成する事業です。
サービス協会は割引金額2,200円の割引券を事業主等に発行し、労働者は1日1回として子供1人分につき1枚使用できます。事業主等は割引券利用手数料として割引券1枚につき中小事業主は70円、それ以外の事業主は180円支払います。
また、義務教育就学前の児童を養育する労働者が出産の前後の休業時や育児休業、または介護休業等の期間で職場への復帰のためにベビーシッター派遣サービスを利用する場合は年度ない4枚まで割引券を使用することができます。
2.ベビーシッター派遣事業(多胎児分)
協会が連携して、事業主等に雇用されている義務教育間就学前の双生児などを養育している労働者がベビーシッター派遣サービスを利用した場合に、その労働者が支払う利用料金の一部または全額を助成する事業です。
サービス協会は、割引金額9,000円もしくは18,000円の割引券を事業主に発行して、労働者が1日1回につき1家庭1枚使用できます。原則では、年度内2枚までとなっておりますが、特別な理由がある場合は4枚まで使用可能です。事業主は割引券利用手数料として割引券1枚につき中小企業主は270円、それ以外の事業主は720円を義務教育就学前の多胎児が3人以上の場合については、1枚につき中小事業主は540円、それ以外の事業主は1,440円支払います。
助成の割引券が使用できるベビーシッターの会社は、協会に加盟している会社に限定されています。とくに、多胎児をもつ家庭や保護者の方々の状況といった条件はいくつかあるようなので、あてはまる対象と照らし合わせながら判断するのがよいでしょう。
就労している保護者を対象とした通常分の割引券の場合、助成金額は1枚あたり2200円となっております。
利用料金が1回につき2200円以上のベビーシッターサービスが対象となり、1家庭1回につき1枚、1カ月に24枚まで、1年間に280枚まで割引券が使用できます。
双子などの多胎児家庭を対象とした多胎児分の割引券の場合、助成金額は対象とする子供の人数で異なります。
使用できる割引券の枚数や助成金額などの条件は家庭の状況によって異なるようなので、ベビーシッターサービスを利用する際に確認するのがよいでしょう。
東京都を例に挙げると、ベビーシッター助成事業はベビーシッター代を利用者に直接給付する仕組みとなっています。
子供が保育所等に入所できるまでの間、保育所等の代わりとして、東京都の認定を受けた認可外のベビーシッター事業者を1時間250円(税込)で利用できます。
対象となる方は、0歳児から2歳児の待機児童の保護者、保育所等の0歳児クラスに入所申込みをせず、1年間の育児休業を満了した後、復職する人が対象です。
事業を所管する東京都保育支援課によると2020年度には利用料は1時間150円(税込み)になる予定です。
なお、この事業を実施しているのは新宿区、台東区、目黒区、大田区、渋谷区、中野区、北区、板橋区、葛飾区、三鷹市、府中市、国立市、福生市、東大和市で順次、増加する予定となっております。
助成金を支払う対象者が保育事業者ではなく利用者本人に給付するため、対応が簡単になるという利便性があります。
ただし、ベビーシッター派遣事業に関しては年度ごとに随時更新されることが多いため、内閣府のホームページを参照の上、チェックする必要があります。
助成金の利用で注意すること
助成金を受け取るにあたり、やはり問題となるのが国の取り立てとなる税金です。
国や地方自治体から受け取れる助成金や補助金であっても個人の手に資金が回ってきますと、それは収入や所得とみなされてしまいます。
そのため、収入が増えてしまえばその分、支払わなくてはいけないのが所得にかかる税金です。
以下ではそのような実例を紹介します。
仮に助成金とサービスを利用して1時間250円でベビーシッターを使えるとします。
この場合、1時間250円で使用できるということではなく、「事業者に払う250円以外の大半の費用を、利用者個人が受け取った助成金から支払っている」ということになります。
実際にお金をもらっていなくても、帳簿上は事業者に支払われた助成金が個人のもらう所得に加わってしまうので、所得額が増えていると国は捉えてしまいます。
その結果、所得が増えた分だけ多く税金を払わなくてはいけなくなるということです。
例えば、子供2人分のベビーシッターにかかる助成金とサービスをフル活用すると年間300万円くらいの助成金が得られます。
この場合、年収400万円の方が利用すれば国は年間で700万円を受給されていると見なされてしまいます。
実際にはあくまでもベビーシッターにかかる費用だけを使っているだけなのに、所得が水増しされ、この場合は所得税が35万円も増額されてしまいます。
学費や障害者給付などの助成金については所得税法9条で定める課税の例外規定にあたるので所得額に計上されず、規定では保育費用に関する定めはありません。
確定申告をしなければ納税していないことになってしまうのです。
つまり、助成金を受け取ればその分だけ、所得税が増えてしまい、結果としては国に税金として納めなくてはいけなくなるということです。
まとめ
以上、当記事では子育てをするにあたりに利用する機会があるベビーシッターやその助成金について紹介しました。
最近では、子育てをする支援を国や地方自治体に頼らずに、会社の福利厚生の一部として取り入れる運動も多くおこなわれています。中小企業を経営している方のなかには、従事する社員のニーズに合わせて予算をかけたいという声もありますが、社会全体に浸透するまでにはまだ時間がかかることでしょう。
各地方自治体では、多くの場合を想定して子育てでベビーシッターの利用に関して助成金とベビーシッター支援事業が適用されております。
なので、助成金の補助を受ける際には、まずは居住地の該当する地方自治体に相談するのがよいでしょう。
ただし、デメリットとして所得税という問題があることも事実であり、確定申告を怠らず勤めている会社や事業主への報告も忘れずにおこなってください。