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ASV(先進安全自動車)とは?ASVの機能7つと補助金を紹介

補助金

皆さんは先進安全自動車(ASV)という言葉を聞いたことがありますか?

先進安全自動車(ASV)とは「先進技術を利用してドライバーの安全運転を支援するシステムを搭載した自動車」のことを指します。

補助金の給付もあり、都道府県や市町村などの自治体によって補助される場所があります。

そこで今回は先進安全自動車(ASV)の概要と以下7つの機能、補助金について紹介していきます

①衝突被害軽減ブレーキ
②ペダル踏み間違い時加速抑制装置(誤発進抑制制御機能)
③車間距離制御装置(ACC)
④車線逸脱警報装置
⑤リアビークルモニタリングシステム
⑥自動切替型前照灯
⑦横滑り防止装置(ESC:Electronic Stability Control)

ASVの概要

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先進安全自動車(ASV)とは、Advanced Safety Vehicleの略で、先進技術を利用してドライバーの安全運転を「支援」するシステムを搭載した自動車のことです。

システムの限界性能を越えているときや、天候や道路状況、タイヤの磨耗状態、センサーの汚れなど、様々な要因で作動状況が異なります。

そして、運転手はASV装置の作動状態を常に確認でき、制御に介入することができます。

事故が発生した場合は運転者が全責任を負うものであり、自動車メーカーや販売店が責任を負うことはないことがすべてのメーカーによって明言され、販売時に必ず説明するようになっています。

ASV推進計画

「ASV推進計画」は、ASVに関する技術の開発・実用化・普及を促進するプロジェクトであり、平成3年度から約30年にわたって取り組んでいます。

ASV推進計画を円滑に進めるためにASV推進検討会を設置し、学識経験者、自動車・二輪車メーカー(14社)、関係団体、関係省庁を委員とする「先進安全自動車(ASV)推進検討会(座長:須田義大 東京大学生産技術研究所教授)」(事務局:国土交通省)において、検討が進められています。

ASV推進計画における基本方針

ASV推進計画では、ASVの技術の実用化や普及促進、技術開発のための案件として「基本理念」と「運転支援の考え方」を策定しています。

〇ドライバー支援の原則
ASV技術はドライバーの意思を尊重し、ドライバーの安全運転を支援するものです。あくまでもドライバーが主体的に、責任を持って運転する、という前提にたっています。

〇ドライバー受容性の確保
ASV技術はドライバーが使いやすく、安心して使えるような配慮をします。つまり、ヒューマン・インターフェースの設計が適切に行われていることをいいます。

〇社会受容性の確保
ASV技術を搭載した自動車は、他の自動車や歩行者などと一緒に走行するので、社会から正しく理解され、受け入れられるよう配慮します。

〇運転支援の考え方
技術開発を進めるにあたり、ASV基本理念を「運転支援の考え方」として具体化し、それに沿ってASV技術の実用化、検討が進められています。

各機能の紹介

ASVや先進安全自動車と言われても、具体的にどんな機能なのかよくわからない方もいると思います。

ここでは現在、搭載が進んでいる具体的なASVに属する機能について紹介していきます。

なお、自動車メーカーによってASVはパッケージングされる名称が異なるほか、一つひとつの機能も呼び方が微妙に変わったり、作動条件(車速や車間距離など)が変化したりますが、基本的な効果についてはほぼ同じと考えて問題ありません。

①衝突被害軽減ブレーキ

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車両相互事故で最も多い形態が追突事故です。

衝突被害軽減ブレーキは、追突事故の被害を軽減または回避することを目的とした先進安全装備です。

この機能は、車の前部に取り付けられたセンサーが前方の車や障害物を検知し、衝突の危険が高まると警報としてドライバーに音や警告灯で回避行動を促します。

このときドライバーが回避行動を行わない場合、ドライバーに代わり自律自動ブレーキを作動させます。

②ペダル踏み間違い時加速抑制装置(誤発進抑制制御機能)

駐車場へ入出庫を行う際、ブレーキペダルを踏まなければならない状況で誤ってアクセルペダルを踏んでしまうことがあります。

ペダル踏み間違い時加速抑制装置(誤発進抑制制御機能)は車載のセンサーが障害物を認識している状態で誤ってアクセルペダルを踏み込んでしまった場合、警告音でドライバーにブレーキ操作を促し、同時にエンジンの出力を抑え、数秒間、急発進を抑制する先進安全装備です。

衝突が避けられないとシステムが判断した場合には、自動的にブレーキ制御が行われる車種もあります。

③車間距離制御装置(ACC:Adaptive Cruise Control)

高速道路や自動車専用道路で使用することを前提に開発されたもので、その名の通り、車間距離を一定に保ちつつ、自動車が自動で定速走行をしてくれる機能です。

ACCが登場する以前は、CC(Cruise Control)が主流でした。従来のCCを使うと、車はドライバーが設定した車速で走行してくれますが、車間距離を一定に保つためにはドライバーがブレーキ操作を行う必要がありました。

CCの発展形であるACCでは、車間距離を一定に保つためのセンサーとCPUが車に搭載されています。

これによって、前を走るクルマとの車間距離を一定に保ちながら走る追従走行が可能になりました。

アクセル操作だけではなく、ブレーキ操作も車が自動で行ってくれるようになったのです。

ACCを使用すると、ドライバーのアクセルペダルやブレーキペダルを操作する時間や回数が減少することにより、ドライバーの運転操作に対する負担が減るだけでなく、それによる燃費向上効果もあります。

ACCに任せてしまえば運転技術の巧拙に関わらず、渋滞緩和に貢献することができます。

④車線逸脱警報装置

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自動車を運転中、スイッチ類の操作などで無意識のうちにハンドルが動いてしまうことがあります。

車線逸脱警報装置は、ドライバーが無意識のうちに車線をはみ出しそうになったとき、ドライバーに警告し、正しい位置に戻ることを促すことによって安全運転を支援します。

車の前部に取り付けられた光学式カメラセンサーは、道路上の白線(黄線)を認識します。

車線をはみ出しそうになると、音や警告灯などによってドライバーに知らせる仕組みとなっています。

⑤リアビークルモニタリングシステム

自動車にはミラーでは見えない死角が左右の斜め後ろに存在します。

リアビークルモニタリングシステム(後側方接近車両注意喚起装置)は、この死角に他の車がいることをドライバーに知らせ、目視の不足によって発生する事故を防ぐことを目的としています。

センサーは車の後部側方に取り付けられており、ドライバーの死角になる斜め後方の車を検知します。

ドライバーがこの車に気付かず車線を変更しようとしたとき、インジケーター表示や警報ブザーでドライバーに危険を知らせます。

⑥自動切替型前照灯

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夜間の走行はハイビームが基本です。

自動切替型前照灯は、ロービームからハイビームへの切り替え忘れを防ぎ、ドライバーの前方視界の確保をアシストします。

車の前部に取り付けられた光学式カメラセンサーによって、周囲の明るさを認識し、ハイビームとロービームを状況に応じて自動で切替える先進安全装置です。

走行中におけるハイビームの使用は、歩行者や障害物の早期発見につながり、夜間の事故防止に効果があります。

また、ハイビームで走行中、前走車や対向車の存在を光学式カメラセンサーが認識した場合は、自動的にロービームへと切替え、眩しさを防止します。

⑦横滑り防止装置(ESC:Electronic Stability Control)

ESCは突然の路面状況の変化や危険回避などのために、急激なステアリング操作をして自動車の車両姿勢が乱れた際、横滑りなどの車両の不安定な挙動を抑制し、走行安定性を確保し、車両の姿勢を安定させる機能のことです。

具体的なメカニズムについては、各ホイールの回転センサーとステアリングセンサー、そしてGセンサーとABSユニットというのが基本的な構成になります。

ホイールの回転センサーの回転差と、Gセンサーからのデータによって、クルマの進行方向を判定します。

その情報とステアリングセンサーからの位置情報が一致しない場合に、クルマが横滑りをしていると判断してエンジンの出力を絞り、ブレーキをかけます。そのときのブレーキは4つのタイヤを別個に制御することで、クルマの動きを制御することが可能になります。

ドリフト走行をはじめ、ジムカーナなどのスポーツ走行において意図的に車を横滑りさせたい場合には、当然ですが邪魔になります。

しかし、一般的な走行、日常使用においてESCがデメリットになることはありません。

補助金について

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国土交通省では、先進安全自動車(ASV)を事業用に購入する事業者を対象として、ASV装置購入に係る費用を補助する制度を設けています。

残念ながら、令和元年11月26日をもって受付は終了していますが、今後の参考としていただけたら幸いです。

受給額

受給できる額は、ASV装置購入に係る総費用の2分の1です。対象となる装置・車種と、各装置の補助金額上限は、以下のとおりです。

(1)衝突被害軽減ブレーキ
・対象車種:バス、車両総重量8トン以上のトラック
・補助金額上限:100,000円

(2)ふらつき注意喚起装置、車線逸脱警報装置、車線維持支援制御装置
(同一車両に(2)の複数種類の装置を装着する場合は、最も金額の高い装置が対象の装置となります。)
・対象車種:バス、タクシー、車両総重量8トン以上のトラック
・補助金額上限:50,000円

(3)車両横滑り時制動力・駆動力制御装置
・対象車種:バス、車両総重量8トン以上のトラック
・補助金額上限:100,000円

※同一車両に(1)~(3)の複数の装置を装着する場合は、1車両あたり150,000円 が補助金額の上限となります。

補助金申請に関する注意点

〇申請は各地方運輸局もしくは各運輸支局へ提出してください。郵送による提出は認められません。

〇車両購入の際の支払い方法は、振込、現金又は小切手によるものを原則とします。(ローンなどによる支払いの場合は補助金の交付はされません。)

〇ふらつき注意喚起装置・車線逸脱警報装置・車線維持支援制御装置のうち、同一車両に複数の装置を装着する場合においては、最も金額の高い装置に対してのみ補助するものとします。

まとめ

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いかがでしたか?今回はASVの概要と機能7つ、補助金を紹介してきました。

交通事故の減少に大幅に貢献しているASVですが、車に頼った気持ちで「ASVだから事故を起こさない」と安心し運転することはとても危険です。

自動ブレーキや誤発進抑制装置などは、お守りのような物と思って運転するのが良いと思います。

今後、急速に自動ブレーキ搭載車が普及していくことで交通事故の数は減っていくと思います。

ですが、先進安全自動車は、万が一の時に助けてくれる杖で、主役ではありません。

先進安全自動車に乗っていても、安全運転を実現するための主役が自分であることは変わりがないということは覚えておきましょう。

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