
国や地方団体が行っている助成事業の他に、財団などによって助成金が設けられているのをご存知でしょうか?
アサヒビールでお馴染みのアサヒグループでは、「公益財団法人 アサヒグループ学術振興財団」と「公益財団法人 アサヒグループ芸術文化財団」によって助成金が設けられています。
こちらの記事では、アサヒグループが行っている学術研究助成と芸術文化活動助成を詳しく解説していきます。
芸術分野と学術研究において、優れた方への支援となる助成金となっていますので、積極的に活用してみてください。
自身への挑戦と、未来への足がかりとなるアサヒビールの助成制度となっています。
アサヒグループの学術振興財団と芸術文化財団
返済の必要がない助成金や補助金は、人々の支援や力となる貴重な存在です。
アサヒグループの「公益財団法人 アサヒグループ芸術文化財団」と「公益財団法人 アサヒグループ学術振興財団」では、下記の助成金がそれぞれ設けられています。
◆公益財団法人 アサヒグループ学術振興財団 「学術研究助成」
◆公益財団法人 アサヒグループ芸術文化財団 「芸術文化活動助成」
次に、「公益財団法人 アサヒグループ学術振興財団」と「公益財団法人 アサヒグループ芸術文化財団」は、どのような財団なのかみてみましょう。
アサヒグループ学術振興財団
アサヒグループ学術振興財団は、1984年に設立した東京都墨田区が所在地となっている基本財産5億円の公益財団法人です。
主に、食、生活及び環境にかかわる科学と文化の研究の助成支援を行っており、これらの分野における学術研究の発展と、国民の生活文化の向上を目的としています。
また、アサヒグループ学術振興財団では下記のような事業を行っています。
・研究に対する助成及び優れた研究業績に対する顕彰
・研究に関する発表・シンポジウムなどの開催及びその助成
・その他この法人の目的を達成するために必要な事業
アサヒグループ芸術文化財団
アサヒグループ芸術文化財団は、1989年に設立した東京都墨田区が所在地となっている基本財産5億8,719万円の公益財団法人です。
多様な創造力の発露である芸術文化活動に対して、総合的な支援を行っています。
芸術文化の創造性による地域の振興、国内外の交流の促進、多様な社会的課題との連携などを図り、創造的で豊かな市民社会の実現に寄与することを目的としています。
また、アサヒグループ芸術文化財団では下記の事業を行っています。
・芸術文化活動の助成及び支援
・芸術文化活動の拠点の開発及び運営
・芸術文化活動との協働及び連携
・芸術文化資源の収集、保管、調査並びに研究
・芸術文化活動の情報の収集及び発信
・芸術文化活動の国内外での交流及び連携
・その他この法人の目的を達成するために必要な事業
次に、 アサヒグループ学術振興財団が実施している「学術研究助成」と、アサヒグループ芸術文化財団が実施している「芸術文化活動助成」について詳しくみていきます。
学術研究助成をご紹介
アサヒグループ学術振興財団が実施している「学術研究助成」は、学識があると認められたグループに対して支援を行っています。
それらのグループが、食に係る生活科学や生活文化、地球環境科学、サスティナブル社会・経済学などの研究計画をし、優れた完成結果が期待できるものに対して助成金を交付しています。
助成対象
学術研究助成の助成対象は、日本の大学・研究所等に所属する研究者、または学識があると認められる個人・グループです。
下記の研究を計画し、完成後に優れた成果が期待できるものが対象となります。
・主として食にかかわる生活科学、生活文化、または地球環境科学、サスティナブル社会・経済学に関する研究
応募資格
学術研究助成の応募資格の条件は、下記の通りとなります。
◆応募する研究者(グループの場合は代表者)が研究計画の推進に責任を持ち、助成金の管理及び助成期間満了後の報告を確実に行なっていただけること
なお、申請書では推薦者(指導を仰いでいる先生、所属組織の長など)の記載が必要。
◆反社会的勢力とは一切関わりがない
◆研究内容に反社会的な内容を含まない
◆研究者の所属が営利企業の場合は応募不可とします。
◆同一研究テーマによる複数部門への応募はできません。
◆直近3回(2019年度、2018年度、2017年度)連続して助成を受けられた
4つの助成部門
学術研究助成は、4つの部門に分かれており、自身に合った分野へ応募することになります。
分野には、生活科学部門、生活文化部門、地球環境科学部門、サスティナブル社会・経済学部門の4つの部門に分かれています。
1. 生活科学部門
食品や食料素材中に含まれる各種成分に関する基礎的・応用的研究や、食の機能性・安全性に関する解析・評価技術など、健康増進や生活の改善に役立つことが期待される新規性の高い食に関する研究や調査。
2. 生活文化部門
食文化分野に関わる、科学的・実証的に研究しようとする企画。
「食」を「文化」として、その背景にある生活文化を含め真摯に向き合い、学術的に本質の追求を目指している研究。
3. 地球環境科学部門
大気圏、水圏、地圏、生物圏および人間圏を包含する地球環境において、圏内および各圏間の物質やエネルギーの分布、循環、相互作用などを理解し、地球環境の過去から現在にわたる変化を把握し追求する。
それらの変化のメカニズムを解明することにより、将来の変化の予測精度を高め、変化する地球環境で持続可能な人間活動のあり方を探ることを目的とした既成概念にとらわれない斬新な研究。
4.サスティナブル社会・経済学部門
持続可能社会のビジョンを拓く理論的・実証的研究、その実現のための実践、行動計画など。
経済学、法学、社会学、政策科学、経営学、文化人類学、民俗学など多くの分野からの環境関連研究の提案。
カーボンニュートラル都市の実現のための研究など。
助成対象費用
学術研究助成の補助対象となる費用は、下記の通りとなります。
・申請研究課題に直接必要となる経費となります。
ただし、応募する研究者本人及び共同研究者の人件費、日当、飲食代、汎用性のある機器(例:パソコン、パソコン関連周辺機器(プリンタ、マウス、USB等)、カメラ)の購入費は対象外となりますのでお気を付けください。
学術研究助成の助成金額
学術研究助成の助成金額と件数は、下記の通りとなります。
・1件あたりの助成金額の上限は100万円
・具体的には研究の規模、内容等を勘案して決定される
なお、助成金には、助成授与式および研究報告会出席時の旅費も含まれます。
(参考:2019年度助成実績 金額:万円)
生活科学 | 生活文化 | 地球環境科学 | サスティナブル社会・経済学 | 計 | |
件数 | 6 | 6 | 6 | 5 | 23 |
金額 | 600 | 450 | 500 | 290 | 1,840 |
芸術文化活動助成のご紹介
アサヒグループ芸術文化財団が行っている芸術文化活動助成は、芸術文化活動を総合的に支援振興しています。
芸術文化の創造性の発展、芸術文化の創造性による地域の振興、国内外の交流の促進、多様な社会的課題との連携を図ることを目的としています。
このような目的と一致した優れた芸術文化活動及び芸術文化活動を促進させるために、芸術文化活動助成は設けられました。
美術、音楽、舞台の個人および芸術団体に対して、助成金を交付しています。
助成対象
芸術文化活動助成の助成対象となるものは、下記の通りとなります。
・目的に合致した優れた芸術文化活動及び芸術文化活動を促進する活動
応募資格
芸術文化活動助成の応募資格は下記の通りとなります。
◆応募する研究者(グループの場合は代表者)が研究計画の推進に責任を持ち、助成金の管理及び助成期間満了後の報告を確実に行なっていただけること
なお、申請書では推薦者(指導を仰いでいる先生、所属組織の長など)の記載が必要。
◆反社会的勢力とは一切関わりがない
◆研究内容に反社会的な内容を含まない
◆研究者の所属が営利企業の場合は応募不可とします。
◆同一研究テーマによる複数部門への応募はできません。
◆直近3回(2019年度、2018年度、2017年度)連続して助成を受けられた
助成部門
芸術文化活動助成の部門は、下記の3部門における個人および芸術団体の優れた意義を有する芸術文化活動となります。
1.美術部門
2.音楽部門
3.舞台芸術部門
助成金額
芸術文化活動助成の助成金額は下記の通りとなります。
・1件あたりの助成金額の上限は100万円
・具体的には規模、内容等を勘案して決定
(2019年度 助成実績 金額:万円)
美術 | 音楽 | 舞台芸術 | 計 | |
件数 | 15 | 14 | 16 | 45 |
金額 | 740 | 730 | 730 | 2,200 |
選考のプロセス
学術研究助成と芸術文化活動助成の選考のプロセスは下記の通りとなりますので、申請する前に確認しておいてください。
【学術研究助成と芸術文化活動助成の選考のプロセス】
①各分野の学識経験者、専門家による当財団の選考委員会において部門ごとに所定の申請書のみにて厳正に審査し、助成候補者を選定
↓
②助成候補者に対し、申請時の研究内容・成果等の変更有無の確認
確認時に推薦者の印を提出。確認内容を踏まえ、助成候補者を確定
↓
③当財団の理事会にて助成先を決定
↓
④採否に関わらず、応募者全員に結果を通知
なお、学術研究助成と芸術文化活動助成を受給する場合に、もしも他の財団からの助成金を受けているても差し支えなく受給することができます。
助成対象者の義務等
学術研究助成と芸術文化活動助成の助成対象者となると、下記のそれぞれの義務が生じてきますので、把握しておいてください。
【学術研究助成の場合】
◆助成金支給条件
助成授与式への出席(申請者または代理者)を助成金支給の条件となります。
◆研究報告等
助成を受けた研究内容・成果は、10月頃に選考委員を中心に開催する研究報告会で発表していただくと共に、研究結果報告書を取り纏めていただき、4月頃に研究紀要として公開します。
◆助成決定後の研究内容・成果等の変更
上記の選考プロセスに記載したとおり、助成候補になった段階で申請内容等の変更有無を確認した上で、助成の採否を決定しますが、助成決定以降においても、研究内容、成果、支出項目・概算見積額等に変更が生じた場合、変更内容の如何によっては「助成の取り消し」や「助成金額の減額」の可能性がでてきます。
【芸術文化活動助成の場合】
◆助成金支給条件
助成授与式への出席(代表者または代理者)を助成金支給の条件となります。
◆報告書の作成・提出
助成企画実施終了後、2ヶ月以内に作成・送付
◆助成決定後の企画内容等の変更
上記の選考プロセスに記載したとおり、助成候補になった段階で申請内容等の変更有無を確認した上で、助成の採否を決定しますが、助成決定以降においても、研究内容、成果、支出項目・概算見積額等に変更が生じた場合、変更内容の如何によっては「助成の取り消し」や「助成金額の減額」の可能性がでてきます。
◆財団名の表示
助成を受ける個人、団体は、その作成するホームページ、ポスター、チラシ、パンフレット、チケット等の印刷物に当財団の助成である旨の表示をすることを条件とします。
まとめ
アサヒビールでお馴染みのアサヒグループで行っている「学術研究助成」と「芸術文化活動助成」の解説と同時に、実施している「公益財団法人 アサヒグループ学術振興財団」と「公益財団法人 アサヒグループ芸術文化財団」を紹介してきました。
アサヒグループでは学術研究や芸術文化活動を行っている方に対して、助成金を交付しています。
これらの活動を行っている方にとって、アサヒグループの助成金は力強い支援となってくれるはずです。
国や地方自治体からの助成金や補助金は有名ですが、アサヒグループが実施しているこれらの助成金に挑戦して、自身の夢へとつなげていってください。