日本政策金融公庫 アパートローン

日本政策金融公庫のアパートローンの5つの特徴と3つの融資条件

日本政策金融公庫

日本政策金融公庫ではアパートローンが組める事はご存知ですか?
しかし、日本政策金融公庫と聞くと敷居が高そうでローンの対象として検討しない方も多いかもしれません。
そこで、本記事では、日本政策金融公庫が提供するアパートローンについて「5つの特徴」と「3つの融資条件」について解説します。

「アパートローンの5つの特徴」
特徴① 融資可能エリアについて
特徴② 通常の銀行との違い
特徴③ 融資金額に上限がある
特徴④ 融資期間に上限がある
特徴⑤ 融資依頼書類の作成

「アパートローンの3つの融資条件」
融資条件① フルローンを組むことができる
融資条件② 木造、市街化調整区域でも融資可能
融資条件③ 低金利である

上記の流れで、日本政策金融公庫について学んでいただき、一般的な金融機関と比較しながらご自身に合う金融機関の選定に活かしてください。

アパートローンの5つの特徴

日本政策金融公庫 アパートローン

まず最初は、日本政策金融公庫が提供する「アパートローンの5つの特徴」について解説します。

これからアパートローンで融資を受けるにあたり、一般的な銀行と日本政策金融公庫にどのような違いがあるのかを理解し、自分にあった金融機関を選択する必要があります。
どちらにもメリットとデメリットがありますので、一概にどちらが良いと言えるものではありません。

アパートローンを有効活用していく上では、特徴をしっかりと理解した上で、金融機関同士を比較検討していく必要がありますので、タイミングに応じて確認してみてください。

特徴① 融資可能エリアについて

日本政策金融公庫 アパートローン

まず1つ目の特徴は「融資可能エリア」についてです。

日本政策金融公庫のアパートローンは、国が運営する融資制度です。
ですから、基本的には「日本全国どこでも可能」という大きな特徴があります。

融資対象物件のエリアの広さに関しては、地方銀行や都市銀行をはるかに凌駕しています。
融資のエリア縛りは、ほとんどないと言っても過言ではありません。
日本政策金融公庫のアパートローンでは、基本的にはどこでも利用可能と認識しておいてもまちがいないでしょう。

エリアに縛りがないことで、幅広い選択をすることができますので、利用用途も広がっていきます。

特徴② 通常の銀行との違い

日本政策金融公庫 アパートローン

2つ目の特徴は、通常の地方銀行や都市銀行と、日本政策金融公庫の違いは、民間の銀行ではなく「政府の銀行である」というポイントです。

ですから、地方銀行や都市銀行が「利益」を追求する思考があるのに対し、地方や企業の発展のためという理念のもと、融資が実行される傾向にあります。

個人の零細企業や中小企業、これから起業を目指す人に少しでもチャンスを与えたいと思っているのです。
一般の銀行では、どちらかといえば「お金をたくさん持っている人」が優遇される傾向にあります。
当然、融資の回収が出来るかどうかがポイントになってきますし、多くのお金を融資することによって「利子」として利益を増やしていけるからですね。

それに対して日本政策金融公庫では、基本的には経済的にも社会的にも「力が無い」人たちを支援する制度なので、弱者に対して優先的に融資を実行する傾向があるのも特徴です。

つまり、資金的にアパートローンが必要不可欠である「キャッシュを潤沢に持っていない人」を優先的に支援しているということです。

特に、若者や高齢者、女性などには積極的に支援している実績があります。

特徴③ 融資金額に上限がある

日本政策金融公庫 アパートローン

3つ目の特徴は、「融資金額に上限がある」というポイントです。
一般的な銀行では、基本的に融資金額に上限がありません。
多く融資して、その分利子を回収して利益を拡大していく狙いがあるからです。

対して、日本政策金融公庫のアパートローンでは、先ほどもお話ししたように地域の活性化や、企業・個人の発展を目指した支援制度です。
そこに、融資による利益を稼ごうという狙いはありませんから、予算に応じた融資金額の上限が設定されているイメージです。
これこそ政府が運営している金融機関だからこその利点ですね。

基本的に収益物件への貸付は「4800万円」がひとつの区切りになっています。
4800万円を超える融資には、厳しい審査基準が適用されることになりますので、一般の人であれば「4800万円以内」の借り入れが上限だと考えたほうが良いでしょう。

また、優遇されやすい「若者、女性、高齢者」になると、7200万円までが上限になります。
7200万円まで融資が利用可能となれば、物件選択の幅が非常に広がっていきますので利用価値が高まります。

融資金額に4800万円の上限がつくということは、収益物件を目的とした融資は「小型物件」に限定されてしまうという条件になります。

特徴④ 融資期間に上限がある

日本政策金融公庫 アパートローン

4つ目の特徴は、「融資期間に上限がある」というところです。
一般的な銀行では、35年ローンが適用されることがほとんどです。
長期間でローンを組むことができるため、月々の返済額も生活に負担の少ない額で高額な物件が取得できるという利点があります。

対して、日本政策金融公庫のアパートローンでは、一般の人を対象に10年〜15年が融資期間の上限と設定されています。
35年のローンに比べると、かなり融資期間が短いことがわかります。
これは、融資対象となる物件が木造であっても、鉄骨造であっても同じ期間が適用されます。

優遇される「若者、女性、高齢者」の人は、20年が融資期間の上限と設定されています。

融資期間が短いので、返済を含めたキャッシュフローは十分に検討しておく必要があります。
簡単に言えば、融資期間が短い分、月々の返済額が多くなってしまうということです。
安易な考えで高額な融資を実行してしまうと、月々の返済が回らなくなってしまう恐れがありますので、慎重に進める必要があります。

購入するアパートが、毎月の返済額をカバーできるほど収益化が可能かどうかが、非常に大きなポイントになってきます。

手持ちキャッシュが無い状態で融資に頼った収益物件購入を考えているのなら、短い融資期間でもキャッシュフローがうまく回るような「高利回りの物件」を購入する必要があるということです。

購入する物件の立地や、人が集まりやすいかどうかの諸条件、賃貸料金、空室率が低く狙えるかどうかなど、アパート運営の戦略をしっかり立てた上で利用しましょう。
購入する物件の金額も、これらの検討に応じて調整が必要です。

特徴⑤ 融資依頼書類の作成

日本政策金融公庫 アパートローン

5つ目の特徴は、「融資依頼書類の作成方法」についてです。

政府が運営している日本政策金融公庫のアパートローンは、一般の金融機関に比べると、融資依頼書類の作成が非常に難しそうに感じます。
書類も複数あるため、ハードルが高く感じてしまいますよね。

多額のお金が動く場合は、非常に多くの書類を作成しなければなりませんし、それぞれ記載内容も難解になってきますので、かなりの負担になってしまいます。

しかし、日本政策金融公庫のアパートローンは政府系金融機関のため、基本的には担当者や窓口で聞けばすべてしっかり回答してくれます。
ですから、ひとつひとつの書類は時間がかかったとしても誰にでも仕上げることができますから、ご安心ください。

アパートローンの3つの融資条件

続いて、日本政策金融公庫のアパートローンにおける、3つの融資条件をお話ししていきます。

これから融資を受けようと思っている方にとって、「融資条件」は気になる情報だと思いますので、ポイントをしっかり抑えて解説していきます。

融資条件① フルローンを組むことができる

日本政策金融公庫 アパートローン

1つ目の融資条件は、フルローンを組むことができるということです。

日本政策金融公庫では、融資の際に個人に対する「無担保枠」を設けています。
個人の無担保枠を利用することによって、フルローンを組むことができるのも大きなポイントです。

しかしながら、先ほどもお話しした融資期間10〜15年に対し、さらに長い期間で融資を受けようとした場合、自己資金を10%程度用意する必要があるのでご注意ください。

融資条件② 木造、市街化調整区域でも融資可能

2つ目の融資条件は、木造・市街化調整区域でも融資が可能であるというところです。
一般の銀行が提供するアパートローンでは、木造物件や市街化調整区域内の物件を「融資対象外」としています。
つまり、木造物件や、市街化調整区域内の物件では融資を受けることができません。

しかし、日本政策金融公庫のアパートローンでは、木造物件であっても、市街化調整区域内の物件であっても融資対象になっています。

通常は受けられない融資を受けることができる点は、大きなポイントですね。

注意点としては、木造物件・市街化調整区域内の物件は評価額が下がってしまうため、融資期間などに対してやや条件が悪くなってしまう傾向にあります。

融資条件③ 低金利である

日本政策金融公庫 アパートローン

3つ目の融資条件は、低金利であるというところです。

現在、一般的な銀行で主流となっている「パッケージローン」と呼ばれるアパートローンでは、金利が4.5%前後と比較的高金利になっています。

この主流な金利額と比較すると、日本政策金融公庫のアパートローンの方が低金利で融資を受けることができます。

ただし、ここまででお話ししてきたように、一般的な銀行に比べると融資期間が短く設定されているため、毎月の返済額と元金・金利のバランスを見て「金利的に有利かどうか」を正しく検討する必要があります。

まとめ

この記事では、日本政策金融公庫のアパートローンの「5つの特徴」と「3つの融資条件」をまとめてきました。

これから、日本政策金融公庫のアパートローンを利用して収益物件を購入するのであれば、まずは特徴をしっかり押さえて利用価値があるかを検討してください。
一般の銀行を利用するという選択肢も当然ありますが、日本政策金融公庫と一般の銀行をどちらも十分に理解した上で、比較検討することが重要です。

一般的な銀行に比べると利点は多いのですが、その反面で「融資期間が短い」などのデメリットもあります。

特徴だけでなく、融資条件でも同様です。
メリットがたくさんある中で、当然こちらもデメリットがあります。

大切なのは、メリットやデメリットばかりに目を向けることではなく、これから利用する「自分自身に合うかどうか」というポイントです。

購入したいアパートの物件情報、立地、月々の賃貸料金、運営コストなどを詳細まで検討し、一般的な銀行が良いのか、日本政策金融公庫が良いのかを判断していくのです。

自分にあった条件がどうかをしっかり判断して、利用してください。

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