愛知県の首都であると同時に、政令指定都市となっている愛知県名古屋市。
武家文化を感じる文化遺産が残されており、産業においては最先端な産業や技術が集積している世界的レベルの産業技術中枢圏域とされています。
このように歴史や産業と、様々な魅力を有している愛知県名古屋市ですが、市内で活用できる助成金や補助金の存在をご存知でしょうか?
愛知県名古屋市では、市民の方にとって支援やサポートとなる助成制度が数多く設けられています。
こちらの記事では、愛知県名古屋市で活用できる助成金や補助金をわかりやすくまとめていますので、利用できる助成事業を見逃すことのないようにご覧ください。
生活こみち整備促進事業
生活こみち整備促進事業は、地元の方々のご協力により、幅員4メートル未満の狭い道路に面した建物を建替える時等にできる後退用地を、一般の交通・通行の用に供する通路(後退通路)に整備することに対して行っている助成事業です。
名古屋市は、この後退用地の整備費等を必要となる経費の一部を助成し、安全で快適なまちづくりを目指しています。
補助対象事業
生活こみち整備促進事業の補助対象となる事業は下記の通りとなります。
・幅員4メートル未満の狭い道路に面した建物を建替える時等にできる後退用地を、一般の交通・通行の用に供する通路(後退通路)に整備していただき、狭い道路※と一体的に「生活こみち」として活用するための事業
補助対象地域
生活こみち整備促進事業の補助対象となる地域は、名古屋市都市計画マスタープランの「戦略的まちづくりの展開」における「重点地域」内の木造住宅密集市街地の中からモデル地区として選定した米野地区・御剱地区となります。
◆米野地区
・全域:上米野町、郷前町、大正町、深川町
・一部地域:黄金通、権現通、下米野町、長戸井町
◆御剱地区
・全域:昭和区滝子通、瑞穂区太田町、亀城町、雁道町、竹田町、船原町、平郷町、御剱町
・一部地域:瑞穂区堀田通、豆田町、瑞穂町
補助対象経費
生活こみち整備促進事業の補助対象となる経費は下記の通りとなります。
・後退用地等の舗装整備を行うための費用
・雑費
・後退したことを示すプレートと鋲(びょう)を設置する費用
(プレート及び鋲は市より支給します)
・後退用地等に存する下記の施設を後退用地等外に移設する費用
①量水器
②汚水ます等
③ガスメーター
④生垣
⑧樹木
補助金の額
生活こみち整備促進事業のそれぞれの助成項目と、補助金額は下記の表の通りとなります。
助成項目 | 助成額 |
(1) 整備助成金 | 5,400 円/㎡ |
(2) 通路使用奨励金 | 3,000 円/㎡ |
(3) 量水器移設助成金 | 83,500 円/件 |
(4) 汚水ます等移設助成金 | 35,400 円/件 |
(5) ガスメーター移設助成金 | 14,200 円/件 |
(6) 生垣移植助成金 | 9,100 円/m |
(7) 樹木移植助成金 低木 | 1,400 円/本 |
中木 | 6,100 円/本 |
高木 | 14,100 円/本 |
(8) 雑費 | 20,500 円/件 |
特定通路かど地拡幅整備支援事業
建築基準法の道路にも接しているかど地は、接道許可を受けなくても建築が可能であるため、この許可条件が適用されず、特定通路は、許可を受けて建替えられた部分は拡幅されますが、かど地部分は拡幅されるとは限りません。
特定通路かど地拡幅整備支援事業は、このようなかど地での特定通路の拡幅にご協力いただけるよう、助成金等を交付し支援を行っています。
補助対象事業
特定通路かど地拡幅整備支援事業は、補助対象となる事業は下記の通りとなります。
・特定通路の中心から2メートルの部分のうち、新たに後退した部分、または、新たに隅切りを設けた部分(拡幅用地といいます。)について、一般の通行ができるようにコンクリートやアスファルト等で整備する事業。
補助対象者
特定通路かど地拡幅整備支援事業の補助対象の対象者と区域は、下記の通りとなります。
◆補助対象者
・建築主、建物所有者、土地所有者
◆対象区域
・市内全域
補助対象範囲
特定通路かど地拡幅整備支援事業の助成対象範囲は、下記の通りになります。
◆助成範囲
・特定道路の中心から2mの範囲で新たに拡張整備をした部分、新たなすみきりとなる拡張用地を設けた部分(すみきりを設けなくても助成金は利用可)
補助金の額
特定通路かど地拡幅整備支援事業の補助金額は、下記の表の通りとなります。
助成項目 | 助成額 |
整備助成金 | 5,400 円/㎡ |
通路使用奨励金 | 10,000 円/㎡ |
量水器移設助成金 | 83,500 円/件 |
汚水ます等移設助成金 | 35,400 円/件 |
ガスメーター移設助成金 | 14,200 円/件 |
生垣移植助成金 | 9,100 円/m |
樹木移植助成金 | 1,400 円/本 ~ 14,100 円/本 |
樹木撤去助成金 | 900 円/本 ~ 4,400 円/本 |
名古屋市木造住宅耐震改修助成制度
名古屋市木造住宅耐震改修助成制度は、名古屋市内にある対象住宅に該当する木造住宅の耐震改修を行うときに利用できる助成事業です。
対象住宅となる木造住宅の耐震改修工事費の一部を補助しています。
補助対象事業
名古屋市木造住宅耐震改修助成制度の対象工事となるのは、一般改修と段階的改修の2つの種類があります。
◆一般改修
・住宅全体の判定値を1.0以上にする工事(0.3以上判定値が加算されること)
◆段階的改修
・1段階目
住宅全体の判定値を0.7以上1.0未満または2階建ての1階の判定値を1.0以上にする工事
・2段階目
住宅全体の判定値を1.0以上にする工事
補助対象者
名古屋市木造住宅耐震改修助成制度の補助対象となるものは下記の通りとなります。
・住宅の所有者(複数いる場合はその代表者)
(対象住宅)
・名古屋市木造住宅無料耐震診断の結果、判定値が1.0未満の住宅(段階的改修の場合は0.7未満の住宅)
・名古屋市内にある昭和56年5月31日以前に着工された、2階建て以下の住宅(戸建て、長屋、共同住宅)
・住宅以外の用途に使用している面積が延べ面積の2分の1未満の住宅
補助対象経費
名古屋市木造住宅耐震改修助成制度の補助対象となる経費は下記の通りとなります。
・耐震改修工事費
補助金の額
名古屋市木造住宅耐震改修助成制度の補助金額は、耐震改修工事費の5分の4以内で、下記の表の金額まで補助されます。
■耐震改修の補助金限度額(一住戸あたり)
改修工事区分 | 一般世帯 | 非課税世帯 |
一般改修 | 最大100万円 | 最大150万円 |
段階的改修 1段階目 | 最大45万円 | 最大70万円 |
段階的改修 2段階目 | 最大55万円 | 最大80万円 |
耐震シェルター・防災ベッドの設置助成
耐震シェルター・防災ベッドの設置助成は、地震による木造住宅の倒壊から高齢者等の生命を守るために設けられた助成事業です。
耐震シェルターや防災ベッドを設置する場合に、必要となる経費の一部を補助しています。
補助対象住宅
耐震シェルター・防災ベッドの設置助成の補助対象となる住宅は下記の通りとなります。
・昭和56年5月31日以前に着工した木造住宅
・名古屋市木造住宅無料耐震診断の結果、判定値が0.7未満の住宅
(補助対象となる耐震シェルター等)
・東京都の「安価で信頼できる耐震改修工法・装置」の装置部門で選定されたものなど、国、地方公共団体及び公的試験機関等で一定の評価を受けた耐震シェルター・防災ベッド
補助対象者
耐震シェルター・防災ベッドの設置助成の補助対象となるものは、下記のいずれかの方が居住している世帯となります。
・申請時点で65歳以上の方
・障害がある方など
補助対象経費
耐震シェルター・防災ベッドの設置助成の対象経費は下記の通りとなります。
・耐震シェルター等の設置に要する経費(本体の購入費、設置費及び附帯工事費)
なお、付帯工事費には運搬費、設置に必要な床補強工事費等が含まれます。
補助金の額
耐震シェルター・防災ベッドの設置助成の補助金額は下記の通りとなります。
◆高齢者等
・補助率 補助対象経費の2分の1以内
・限度額 30万円以内
◆高齢者等のうち、非課税世帯
・補助率 補助対象経費の4分の3以内
・限度額 45万円以内
非課税世帯とは、住宅居住者の世帯全員が、過去2年間、市民税の課税を受けていない世帯を言います。
ブロック塀等撤去費助成
ブロック塀等撤去費助成は、地震発生時におけるブロック塀等の倒壊による被害や避難時の通行の妨げとなることを防止するために設けられた助成事業です。
ブロック塀等撤去に必要となる撤去費用の一部を補助しています。
補助対象事業
ブロック塀等撤去費助成の補助対象となるブロック塀等の撤去は下記の通りとなります。
・道路に面する高さ1m以上のブロック塀等の撤去
・ブロック塀等とは、コンクリートブロック、レンガ、大谷石等の組積造の塀、その他これらに類する塀で、門柱等も含みます。
・隣地に面する部分等は補助対象外とし、道路に面する部分のみ補助対象となります。
補助対象地区
ブロック塀等撤去費助成の補助対象となる地区は、下記の木密4地区とそれ以外の地区となります。
(木密4地区)
・米野地区(中村区)
・御剱地区(昭和区・瑞穂区)
・下之一色地区(中川区)
・笠寺地区(南区)
補助対象経費
ブロック塀等撤去費助成の補助対象となる費用は下記の通りとなります。
・ブロック塀等の撤去費用
補助金の額
ブロック塀等撤去費助成の補助金額は下記の通りとなります。
◆木密4地区以外
・対象撤去費用の2分の1以内 6,000円/m 10万円
◆木密4地区
・対象撤去費用の4分の3以内 9,000円/m 15万円
いずれか低い金額を補助金額と、補助金額は千円未満切り捨てとなります。
なお、撤去するブロック塀の長さは10cm未満切捨です。
住宅の低炭素化促進補助
住宅の低炭素化促進補助は、名古屋市が行っている住宅の低炭素化を応援している助成事業です。
住宅の低炭素化を促進するため、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、太陽光発電設備、蓄電システム、家庭用燃料電池システム(エネファーム)の導入の際に、補助金を交付しています。
補助対象設備
住宅の低炭素化促進補助の補助対象となる設備は、下記の通りとなります。
◆太陽光設備
既存住宅に設置(10kW未満)
◆ZEN
国の補助を受ける新築住宅
◆蓄電システム
上記2つのいずれかと同時に設置する場合、または既設の太陽光発電設備に接続する場合
◆エネファーム
新たに設置、または設置された新築住宅の購入
補助対象要件
住宅の低炭素化促進補助の補助対象となるには、それぞれの要件を満たす必要があります。
◆太陽光設備
・市内の既存住宅に新たに設備を設置すること。
・太陽電池モジュールを既存住宅の屋根に設置すること。野立ての太陽光発電設備は対象外です。
・太陽光発電による電気が、当該太陽光発電設備が設置される住宅において消費されるものであること。
・太陽電池の最大出力又はパワーコンディショナの定格出力のいずれかが10kW未満であること。ただし、増設の場合は、既設分を含めて10kW未満であること。
・未使用品であること。移設されたもの又は同一設置場所で過去に電力会社と系統連系されたものは対象外です。
・申請者が個人の場合は名古屋市民であること、法人の場合は本店又は主たる事務所が名古屋市内であること。
◆ZEN(ネット・ゼロ。エネルギー・ハウス)
・名古屋市内に戸建のZEHを建築する又は新築のZEHを購入すること。(集合住宅は対象外)
・令和元年度に経済産業省・国土交通省・環境省が実施するZEH補助の交付を受けること。
・申請者が個人の場合は補助対象となる住宅を住居として使用すること、法人の場合は補助対象となる住宅の所在地を本店又は主たる事務所とすること。
◆蓄電システム
・太陽光発電設備で発電された電力の全部又は一部を蓄電システムに充電し、充電した電力を当該住宅で消費することが可能であること。
・国の補助事業における補助対象機器として、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)により登録されているもの。
・既設の太陽光発電設備に接続する場合、太陽光発電設備が10kW未満であること。
・未使用品であること。リース品は対象外です。
◆エネファーム
・市内の住宅(集合住宅も可)に新たに補助対象システムを設置すること。又は補助対象システムが設置された市内の新築住宅(集合住宅も可)を購入すること。
・個人の場合、名古屋市民であること。 法人の場合、本店又は主たる事務所が名古屋市内であること。
補助金の額
住宅の低炭素化促進補助のそれぞれの補助金額は下記の通りとなります。
◆太陽光設備
太陽光発電設備を設置する住宅の築年数や種類により、補助金額が異なります。
・築10年以内の戸建住宅に設置する場合、1kWあたり2万円(上限5kW)
・築10年超の戸建住宅に設置する場合、1kWあたり3万円(上限5kW)
・集合住宅に設置する場合、1kWあたり2万5千円(上限9.99kW)
・築10年超の戸建住宅とは、登記事項証明書において平成21年4月1日以前に建築されたことが確認できる住宅をいいます。(築10年以内の戸建住宅とは、平成21年4月2日以降に建築された住宅をいいます。)
・集合住宅とは、登記事項証明書において建物の種類が「共同住宅」である住宅又は集合住宅の管理者や管理組合法人が対象設備を設置する住宅をいいます。
◆ZEN
・1件あたり20万円
・補助金額には愛知県からの補助金(愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金)を含みます。
◆蓄電システム
・蓄電システムの蓄電容量1kWhあたり1万5千円(補助上限6kWh)
・補助対象となる蓄電システムの蓄電容量の上限は6kWhです。6kWhを超える設備を設置する場合の補助金額は、一律9万円とります。なお、愛知県からの補助金(愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金)を含みます。
◆エネファーム
・1台あたり3万円
・愛知県からの補助金(愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金)を含みます。
まとめ
2020年の愛知県名古屋市で活用できる6つの助成金や補助金となる「生活こみち整備促進事業」「特定通路かど地拡幅整備支援事業」「名古屋市木造住宅耐震改修助成制度」「耐震シェルター・防災ベッドの設置助成」「ブロック塀等撤去費助成」「住宅の低炭素化促進補助」を解説してきました。
愛知県名古屋市では、木造住宅耐震改修や耐震シェルター、防災ベッドなどの設置の際に利用できる助成事業を始めとして、ブロック塀撤去や生活こみち整備、かど地拡幅整備などを支援しています。
名古屋市民にとって、直接のサポートとなる助成金や補助金が数多く設けられていますので、見逃すことのないように役立ててください。
生活の安全につなげていける助成事業を活用して、ゆとりある生活の手掛かりとしていきましょう。