令和2年度エイジフレンドリー補助金

創設された令和2年度エイジフレンドリー補助金を資金調達につなげる方法

補助金

少子高齢化が進んでいる現在において、生きがいを持ちながら働き続ける高齢者の労働者が増え、その力は大きな存在となっています。

しかし最近では、高齢者の就労の拡大することによって、高齢者の労働災害の発生が多くなってきました。
高齢者が安心して働ける安全な職場環境を整えることは、これからの重要な課題と言えるでしょう。

そこで、こちらの記事では、新たに創設された高年齢労働者を雇用する中小企業事業者に向けて行われているエイジフレンドリー補助金をご紹介いたします。

新しい補助金となっていますので、職場環境の改善を図ろうと検討している中小企業事業者の方は確認しておきましょう。

エイジフレンドリー補助金の目的

令和2年度エイジフレンドリー補助金

本年度新たに創設されたエイジフレンドリー補助金は、高齢者を雇用する中小企業事業者が職場環境の改善を図り、新たな安全衛生対策に対して支援する目的で設けられた補助金です。

高齢者が就労するときに利用者などと密に接する業務では、新型コロナウイルス感染を防止するための設備や作業の改善が必要となりますが、それらの環境整備を支援するためにも、エイジフレンドリー補助金は設けられています。

エイジフレンドリー補助金の概要

令和2年度エイジフレンドリー補助金

エイジフレンドリー補助金は、高齢者が安心安全に働けるように、危険な場所や負担の大きな作業を軽減するための職場環境を整える際に利用できる補助金です。

新型コロナウイルス感染を防止するために、社会福祉施設、医療保健業、旅館業、飲食業などの接客サービスの対人業務の簡素化な度に対しても活用できます。

高年齢労働者を雇用している中小企業事業者に対して行われています。

◆補助金申請期間:令和2年6月12日~令和2年10月末日まで

補助対象となる事業者

エイジフレンドリー補助金の対象となる事業者は、下記の①~③のすべてに該当する事業者が対象となります。

①⾼年齢労働者(60歳以上)を常時1名以上雇⽤している

②下記のいずれかに該当する中⼩企業事業者

業種 常用使用する労働者数 資本金又は出資の総額
小売業 小売業、飲食店、持ち帰り配達飲食サービス業 50人以下 5,000万円以下
サービス業 医療・福祉、宿泊業、娯楽業、教育・学習援業、情報サービス業、物品賃貸業、学術研究・専・技術サービス業など 100人以下 5,000万円以下
卸売業 卸売業 100人以下 1億円以下
その他の業種 製造業、建設業、運輸業、農業、林業、漁業、融業、保険業など 300人以下 3億円以下

上記の労働者数もしくは、資本金等のどちらか一つの条件を満たしているのなら、中小企業事業者となります。
③労働保険及び社会保険に加⼊している

補助金額

エイジフレンドリー補助金は高年齢労働者のための職場環境改善に要した経費に対して行われ、下記の補助率と上限額となります。

ただし、事業場規模、⾼年齢労働者の雇⽤状況等を審査の上、交付決定されますので。全ての申請者に交付されるものではありませんので、お気をつけください。

◆補助率  1/2
◆上限額  100万円(消費税を含む)

補助金を利用するための職場環境の改善対策とは?

令和2年度エイジフレンドリー補助金

エイジフレンドリー補助金の職場環境を改善する具体的な対策とは、主に下記の4つの対策となります。

これらの対策に必要となった経費が補助対象です。

①⾝体機能の低下を補う設備・装置の導⼊
②働く⾼齢者の健康や体⼒の状況の把握等
③安全衛⽣教育
④その他、働く⾼齢者のための職場環境の改善対策

新型コロナウイルスの感染防止対策

上記以外にも、新型コロナウイルス感染防止図る対策も補助対象となります。

高齢者が安心して働くために利用者や同僚との接触を軽減する対策などが、それにあたります。

具体的な対策例

エイジフレンドリー補助金の具体的な対策は下記の通りとなりますので、参考になさってください。

【働く⾼齢者の新型コロナウイルス感染予防】
・介護におけるリフト、スライディングシート等の導⼊
・介護における移乗⽀援機器等の活⽤
・客室への荷物配送、配膳等の⾃動搬送機器の導⼊
・熱中症の初期症状等の体調の急変を把握できる⼩型携帯機器 ( ウェアラブルデ
バイス ) による健康管理システムの利⽤

なお、使い捨てマスク等の消耗品、ビニールカーテン等の仮設の設備については対象となりませんので、お気をつけください。

【⾝体機能の低下を補う設備・装置の導⼊】
・通路の段差の解消(スロープの設置等)
・ 階段に⼿すりの設置
・床や通路の滑り防⽌対策(防滑素材の採⽤、防滑靴の⽀給)
・ 暗い作業場所の照度の改善
・ 危険箇所への安全標識や警告灯等の設置
・ ⾼齢者に聞きとりやすい中低⾳域の警報⾳に交換
・作業時の有効視野を考慮して警告・注意機器の配置の改善
・業務⽤の⾞両への⾃動ブレーキ⼜は踏み間違い防⽌装置の導⼊
・熱中症リスクの⾼い作業がある事業場での涼しい休憩場所の整備
・体温を下げるための機能のある服などの⽀給
・ 不⾃然な作業姿勢を改善するための作業台等の設置
・重量物搬送機器・リフトの導⼊
・ 重筋作業を補助するパワーアシストスーツ等の導⼊

【健康や体⼒の状況の把握等】
・安全で健康に働くための体⼒チェックの実施
・健康診断や⻭科健診、体⼒チェック等に基づいた運動指導、栄養指導、保健指
導等の実施
・保健師やトレーナー等の指導による⾝体機能の維持向上活動

【安全衛⽣教育】
・加齢に伴う労働災害リスクの増⼤の理解促進のための教育
・⾼齢者の理解度を測りつつ反復実施する安全衛⽣教育

なお、労働者個⼈ごとに費⽤が⽣じる対策(ウェアラブルデバイス、防滑靴、体⼒チェックなど)については、雇⽤する⾼年齢労働者の⼈数分に限り補助対象となりますので、ご確認ください。

エイジフレンドリー補助金の審査をクリアするためのポイント

令和2年度エイジフレンドリー補助金

エイジフレンドリー補助金を受給するためには、審査をクリアすることが課題となってきます。

審査を通るためには、事業において必須項目を満たしており、さらに加点項目に当てはまっていることが重要となります。

エイジングフレンドリー補助金を申請する前に、事業が「必須項目」と「加点項目」に当てはまっているのか、よく確認しておきましょう。

必須項目

エイジングフレンドリーの必須項目は、下記の6つの項目となります。

審査の際には、必ず必要となる項目となりますので、申請する前によくチェックしておきましょう。

①実施する対策が⾼年齢労働者の安全衛⽣確保に寄与すると認められること。
②事業場の担当者、担当部署の体制を整備していること。
③事業場において、措置を講じる計画を⽴てていること。
④研修等の有形でない対策については、次年度以降の実施計画が含まれていること。
⑤60歳以上の⾼年齢労働者を常時1⼈以上雇⽤する者であること。また3⽉以内に雇⽤しようとする者として申請した者については、雇⽤計画を策定していること。
⑥過去1年以内に死亡災害⼜は社会的な問題となった労働災害を発⽣させていないこと。

加点項目

エイジングフレンドリーの加点項目は、下記の4つの項目となります。

当てはまることで、審査において加点となり審査が通過しやすくなる項目です。

①実施する対策の取組内容がより効果的、 積極的と考えられること。
②安全管理者⼜は衛⽣管理者の選任義務 のない事業場において、有資格者を選任 していること。
③⾼年齢労働者を多く雇⽤していること。
④労働安全衛⽣マネジメントシステムに 取り組んでいること。

エイジフレンドリー補助金の注意事項

令和2年度エイジフレンドリー補助金

エイジングフレンドリー補助金を申請する際には、「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」の対象となるために、交付要項、実施要項、交付規程等をよく確認し、補助金の趣旨を理解した上で申請するようにしましょう。

また、下記に対しても注意が必要となりますので、事前に確認しておいてください。

・偽りその他不正の⼿段により補助⾦の交付を受けた場合、交付決定の内容や付された条件に違反した場合は、補助⾦の返還を求めることがあります。

・受付は、⽉末ごとに締め切りを設け、申請の翌⽉に審査と交付決定を⾏います。

・交付決定を受けられなかった申請案件は、内容を再検討の上、申請期間中に再度の申請が可能です。

・交付決定額が予算額に達した場合、申請期間中であっても受付を締め切ります。

エイジフレンドリー補助金の申請手続きの流れ

令和2年度エイジフレンドリー補助金

エイジフレンドリー補助金の申請は、(⼀社)⽇本労働安全衛⽣コンサルタント会が助事業の実施事業者(補助事業者)となり、中⼩企業事業者からの申請および審査等を⾏い、さらには補助⾦の交付決定と⽀払いを実施しています。

申請期間(6月12日~10月31日)までに、必要書類等を揃えて申請してください。

毎月末分をまとめて、翌⽉に審査を⾏い、交付決定された案件は、申請者に交付決定通知が送付されます。

対策を実施した後に、中小企業事業者は費⽤の支払いとなりますが、交付決定⽇以前に⽀払った費⽤は補助対象となりませんので、お気をつけください。

その後、「実績報告書及び精算払請求書」をコンサルタント会に提出し確認が済みましたら、確定通知書が送られ、のちに補助金の交付となります。

なお、「実績報告書及び精算払請求書」は、⽀払⽇から20⽇以内に提出となりますが、令和3年1⽉10⽇以降の⽀払分は令和3年1⽉末⽇までに提出してください

令和2年度エイジフレンドリー補助金

エイジフレンドリー補助金の問い合わせ先

令和2年度エイジフレンドリー補助金

エイジフレンドリー補助金でわからないことがあったら、下記にお問い合わせください。

◆一般社団法人日本労働安全衛生コンサルタント会
エイジフレンドリー補助金事務センター

◆受付時間:平⽇9:30〜12:00、13:00〜16:30(⼟⽇祝休み)
(8⽉11⽇〜14⽇(夏季休暇)、12⽉28⽇〜1⽉4⽇(年末年始)を除く)

◆申請関係:エイジフレンドリー補助⾦事務センター
・〒105-0014 東京都港区芝 1-4-10  トイヤビル 5 階
・℡ 03-6381-7507
・Fax 03-6381-7508

◆⽀払関係:エイジフレンドリー補助⾦事務センター
・〒108-0014 東京都港区芝4-4-5 三⽥労働基準協会ビル 5 階 (⼀社)⽇本労働安全衛⽣コンサルタント会内
・℡03-6809-4085
・Fax03-6809-4086

まとめ

令和2年度エイジフレンドリー補助金

本年度から創設された令和2年度エイジフレンドリー補助金について、詳しく解説していきました。

エイジフレンドリー補助金は、高年齢労働者を雇用している中小企業事業者が利用できる補助金です。

創設されて間もないので、知らない中小企業事業者も多いと思いますが、高年齢労働者を雇っているのなら、見逃すことのないように活用しましょう。

特に、接客サービスをしている社会福祉施設、医療保健業、旅館業、飲食店等は、新型コロナウイルス感染を予防が重要となりますので、対人業務を簡素化できる設備や作業の改善に積極的に補助金をお役立てください。

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