【初心者必読】ファクタリング全5種類の仕組みとメリット&デメリット

ファクタリング

売掛債権を早期現金化する仕組みとして近年注目されているファクタリングには大きく括ると5種類のサービスに分けられます。それぞれの仕組みやメリットとデメリットを理解しておく事で、資金調達する時にどのファクタリングが適切なのかを自ら判断する事が可能です。

全5種類のファクタリングを紹介

企業間取引で発生した売掛金を早期現金化する事で資金調達できるファクタリングサービス。日本では銀行融資や株式発行などに比べるとまだ馴染みが薄いものの、キャッシュフローをスピードアップする事ができるという事で近年注目度を高めています。

買い取る債権の種類や売買の方法によってファクタリングサービスと一口に言っても全5種類の方法に分ける事が出来ます。債権を現金化するというゴールは同じでも、そこに向かうまでのコースや方法が違うという訳です。

  1. 2社間
  2. 3社間
  3. 医療
  4. 国際
  5. 保証

大きく分けると上記5種類に分別する事が可能なファクタリング。それぞれの仕組みはメリット&デメリットを以下で詳しく解説していきたいと思います。

2社間ファクタリング

ここで紹介する2社間と下の項目で紹介する3社間がファクタリングサービスの中では最も一般的なものです。大手メガバンクは取り扱いをしていませんが、民間のファクタリングサービス会社の多くは2社間取引を行っています。

メリット デメリット
  • 最短即日に資金化
  • 売掛先への通知不要
  • 迅速な手続き
  • 手数料が高い
  • 大手企業の未参入

それぞれのメリット&デメリットを下で詳しく解説していきたいと思います。

メリット

2社間ファクタリング最大のメリットは迅速な手続きが可能で最短即日で現金化が可能であるという点です。中小企業などで急に現金が必要になった時、急な支払いでまとまったお金が必要になった時に最適です。審査も3社間よりも迅速である事が多く、売掛先の支払い能力があるか否かが争点になりますので、申込先の資金状況は基本的に問われる事はありません。

売掛先への通知も不要ですから取引先との今後の付き合いに不備が出るという事もありません。ファクタリングサービスの利用は売掛先へ通知されると相手の印象を悪くしてしまう事もありますがそれを防ぐ効果があるという訳です。

デメリット

2社間ファクタリング最大のデメリットは手数料が高いという点です。3社間では1%~5%程の手数料で取引される事が多いのですが2社間では10%~30%程の手数料が必要であるという事で非常に高めに設定されています。手数料が高い理由は会社の貸し倒れリスクが大きい為です。

更に2社間ファクタリングでは高い手数料を設定しなければ商売が成り立たないという理由で大手企業が参入していません。大手メガバンクのファクタリング会社では2社間は行っておらず3社間のみ。2社間ファクタリングを行っているのは民間企業のみという点もデメリットの一つになるでしょう。

つまり2社間で早期に現金化できるというメリットがある一方で、安くない手数料を引かれ、大手メガバンク直系のファクタリング会社がない事で知名度の低い中小企業規模のノンバンクサービスの提供が多い事から、その信頼性を100%判断する事ができないというデメリットがあります。

3社間ファクタリング

上記で紹介した2社間と同様に一般的なファクタリングサービスとして多くの企業がサービスを提供しているのが3社間ファクタリングです。2社間との最大の違いは大手企業がサービスに参入しているか否かでしょう。

メリット デメリット
  • 手数料が安い
  • 大手企業がサービス提供している
  • 審査が通りやすい
  • 倒産リスク回避
  • 売掛先への通知が必須
  • 現金化までに時間がかかる

3社間取引でのメリットとデメリットも以下で詳しく解説していきます。

メリット

契約の主体が「ファクタリング会社」「利用者」「売掛先」の3社間で行われる取り引きで、大手メガバンクや地方銀行の参加である銀行系ファクタリング会社が得意とする契約なので利用者が多く、利用規模も多い傾向にあります。2社間ファクタリング手数料に比べると破格の手数料で、一般的な相場は2%~10%程。

手数料が安い理由は2社間で説明した貸し倒れリスクが低いからです。大手メガバンクが間に入りファクタリングする事で話がスムーズに進む事が多く、しっかりと調査してからの審査通過となりますので、貸し倒れリスクが2社間よりも圧倒的に少ない為に2社間よりも手数料が安く設定されています。

デメリット

売掛先への通知が必須であり面倒が必要であるパターンが多いです。3社間ファクタリングを成立させる為には売掛先の承諾が必須になりますので、もしも仮に売掛先が拒否をしたら契約が成立しません。大手メガバンクが提供している事が多いので契約成立の可能性は高いとは言え、売掛先への通知が必須となりますので今後の取り引きに関して全く影響がないとは言えないかもしれないのがデメリットとなります。

更に2社間ファクタリングが最短で即日現金化できるのに対して、3社間では売掛先への通知と面談や調査が必須となりますので現金化までに時間がかかります。すぐに手元に現金が欲しいという方、即日現金化を希望しているのであれば3社間ではスピードが遅いと感じるかもしれません。

医療報酬ファクタリング

医療報酬ファクタリングとは、医療機関が国保や社保に対して請求する医療報酬債権(医療費の7割)を売却して現金化するファクタリング契約の事です。診療報酬、介護報酬、調剤報酬、医療関連機関が対象のファクタリング契約を総称して医療報酬ファクタリングと呼びます。

主に病院やクリニックの設備投資の際に使用されるもので、医療業界や介護業界の方が利用するものです。医療業界関係者以外では利用する事はまずないファクタリングという事で少々特殊なものになっています。

メリット デメリット
  • 審査が通りやすい
  • ノンリコース
  • 大金を調達できる
  • 手数料が高い
  • 診察報酬債権の譲渡は限度あり

医療関係者の資金調達においては切り離せない医療報酬ファクタリングのメリット&デメリットも以下で詳しく解説していきます。

メリット

医療ファクタリングは取引先が国になりますので非常に審査が緩いです。さらにノンリコースなので売掛金の返還リスクがないのも特徴です。更に初回利用であれば債権買取が制限される場合が多いにも関わらず、医療ファクタリングに関しては初回でも多額の債権を買い取ってもらう事ができますので、大きな資金調達がいきなり可能であるという訳です。

医療報酬債権の受取は医療機関がサービスを提供してから約45日後に国保や社保に請求書を伝達し実際に入金されるまでは約2ヶ月ほどかかります。しかしここで医療ファクタリングを利用する事で最短即日でまとまった資金を調達する事ができますので、それを事業資金に充てる事ができたり、新しい設備投資などに充てる事ができるようになるという訳です。

一般的な一括ファクタリングと違うのは売掛先が国保や社保になりますので債権未回収のリスクが極めて低いという国の機関であるという点。民間企業であればどれだけ大手であっても倒産リスクはつきものですが、相手が国なので信用力はとても高いので買取手数料も通常より安く設定されています。この点も大きなメリットであると言えるでしょう。

デメリット

診療報酬債権の譲渡は最大でも2ヶ月先までです。実績を積み重ねる事で多額の資金を調達する事も可能ですが、基本的には2ヶ月先までが基本なので、莫大な資金調達には向いていないと言えるでしょう。

更に医療ファクタリングにはレセプト審査(保険医療機関からの診療に掛かる医療費の請求が正しいかどうかを調べる審査の事)に通る事が必須です。全額買取ではなく額面の90%程度になる事がほとんどであるという点もデメリットであると言えるでしょう。

国際ファクタリング

国内の輸出企業が商品を輸入する外国の輸入企業から支払われる代金を確実に回収する為に存在している国際ファクタリング。輸出先や海外の企業によっては商品を輸入した代金を確実に支払ってくれるかどうか不透明な部分がありますので、資金回収を確実にする国際ファクタリングは大きな注目を集めています。

2社間は存在せす輸出企業、輸入企業、ファクタリング会社の3社間契約で行われるという特徴があります。

メリット デメリット
  • 輸入代金の確実な回収
  • 銀行の審査が必要ない
  • 輸入業者の信用調査がある
  • サービス提供企業が少ない
  • 手数料が高い

海外企業との取り引きで確実に売掛金を回収する事が可能な国際ファクタリングのメリットとデメリットは以下のようになります。

メリット

輸出先の海外企業からの輸入代金を確実に支払ってくれるというのは大きなメリットになります。海外企業の場合は国内企業よりも信頼性が不透明で、代金未払いのリスクが国内企業との取り引きよりもリスクが高いですから、そのリスクを回避する事ができ確実に支払いが叶うというのは大きなメリットになります。

一般的には信用状を使って銀行に支払いを保証してもらう形ととる事になりますが、信用状開設は審査が通りにくく開設までに時間がかかりますので国際ファクタリングを利用するケースが非常に多いのです。国内のファクタリング会社は提携している海外のファクタリング会社と連携を取り、現地の輸入企業の信用調査を行った上で輸出債権の売掛金を回収しますので、安心感を持って取り引きを行う事が可能です。

デメリット

現在、国際ファクタリングを取り扱っているファクタリング会社は「みずほファクター」と「三菱UFJファクター」の2社のみです。色々なサービス会社を比較して手数料などを見比べることができないというのはデメリットになりますが、それでも提供している会社が大手メガバンク直系のファクタリング会社なので安心感と信頼感が違いますので安心した取り引きが可能です。

競合他社がいない事でファクタリング手数料は比較的高めに設定されています。競合がいれば手数料を下げて競争をしていくのですが、競合他社がいない事で独占的になってしまい、手数料は安くならず高い状態で設定されているという訳です。

保証ファクタリング

医療ファクタリングは医療業界、国際ファクタリングは輸入業界、そしてこちらの保証ファクタリングは建設業者を中心に利用される事が多いサービスです。注目すべきは売掛金の買い取りではなく『売掛金が回収不能になった時に支払われる』もので、いわば保険のようなサービスであるという点です。

着工から入金まで長いスパンがかかる建設業界では依頼者である売掛先が倒産するリスクは常に付き纏います。

メリット デメリット
  • 手数料が安い
  • リスクを回避できる
  • 保証料が必要
  • 保証金額は全額ではない可能性も
  • 倒産時しか支払われない

保証ファクタリングについて以下で詳しくメリットとデメリットを解説していきたいと思います。

メリット

企業が保有している売掛金や取引手形の未払いリスクをファクタリング会社が保証するというものですから、保証ファクタリングを利用する事で、売掛企業の倒産や経営破たんなどによる債権回収不能というリスクを回避する事ができます。倒産した場合に売掛金の全額、または一定額を企業へファクタリング会社が支払うという契約になります。

上でも説明したように主に支払いまでが長い建設業界で利用されるケースが多く、入金までに長いスパンがかかってしまうので高い倒産リスクがある為、リスクヘッジの観点から見て保険に入っておくという感覚です。

デメリット

保証ファクタリングは純粋な資金調達が目的ではありません。あくまで保険ですから売掛先が倒産や経営破綻などで支払い不可にならなければ現金化する事はありません。それでも保証料は支払わないといけませんから、売掛先が倒産しなければ支払った分だけ損をするという事になります。自分の企業にある程度の資金がなければ入らない方が良いかもしれませんね。

まとめ

資金調達をしたいと考えている申し込み企業がどの業種なのかでファクタリングは全5種類の中から選択する形になっていきます。それぞれ仕組みが異なり、取り扱っているファクタリング会社も違います。自分の目的や向いているサービスを理解し、ある程度の会社を比較して選択するのが良いと思います。冷静な頭でどれを選べば良いのかを判断してから選択するようにしましょう。

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