4K8Kテレビに詳しくなってお得に導入するには?4K8K放送についてよく理解し、信頼できる工事業者を選ぶ方法を紹介します。
この記事では、そもそも4K8Kテレビではどんな映像が見られるのか、それにはどんな工事が必要なのか、またその費用に関しては助成金が受け取れる場合もあるというお得な情報について解説していきます。
そもそも4K、8Kとは?
「スーパーハイビジョン」で行われる日本の放送の通称を「4K8Kテレビ放送」と言います。
現行の高精細度テレビジョン放送に比べて、映像や動画の解像度(画素数)が高い4Kや8Kで行われます。
細かい詳細や規定を確認すると下記の内容になります。
※スーパーハイビジョン:NHK放送技術研究所が中心となって研究開発を行っている超高解像度のテレビ規格。解像度の面で人間の視覚能力の限界に到達することを目指している。
従来の大画面テレビで課題となっている、速く動く被写体の「動きぼやけ」を減らすための規格として開発が進められている。
※4K:UHDTV(超高精細テレビ)における4K解像度の通称。国際電気通信連合では4K UHDTVとされている。「2160p」(ディスプレイや動画の解像度で使われる用語。画面アスペクト比は16:9、有効垂直解像度2160本で、順次走査の動画を指す略称。)と同義。
※8K:UHDTV(超高精細テレビ)における8K解像度の通称。国際電気通信連合では8K UHDTVとされている。「4320p」(ディスプレイや動画の解像度で使われる用語。画面アスペクト比は16:9、有効垂直解像度4320本で、順次走査の動画を指す略称。)と同義。
1,000を1キロ(K)と数え、8Kは横方向の解像度が約8,000なので8K、4Kは3,84×2,160なので4K、フルハイビジョンは1,920×1,080なので2Kと表します。
従来のテレビとどう違うのか
4K8Kテレビは従来のフルハイビジョン(2K)に比べて画素数が変わります。
4Kは約4倍、8Kは約16倍の画素数になり、キメが細かく奥行のある、鮮明な映像を見ることができます。
2Kでは約200万画素だった解像度が、4Kでは800万画素、8Kでは3,300万画素になるということです。従来より表現可能な色彩の範囲が広がるので、より人間の目に近い色合いが表現されます。
また、HDR(ハイダイナミックレンジ)という、元々ぼ被写体本来の明るさや色、コントラストのメリハリが強く出る技術により、従来よりもさらにリアルな映像を楽しむことができます。
音響の質も大きく向上しています。4K放送では、映像にマッチした臨場感を味わえる5.1チャンネルのサラウンドを、8K放送では22.2チャンネルのマルチチャンネルサラウンドを楽しめます。
全方向から音を再現することができるようになっており、まるで自分がその映像の場所にいるかのような音を体験することができます。
もしかして、この先いずれは16Kが登場し、またテレビを買い替えるようになるの?とも思ってしまいますが、現時点では8Kが家庭テレビの最終系と考えられています。
というのも、一般の家庭で実現できる映像サイズには限りがあるからです。
人間の視野は、水平で約100度が臨場感を感じる限界地だということが、NHKの研究で分かっています。
人間の視野100度で映像を見るのに一番適した距離が、画面の高さの0.75倍と言われています。この距離で視力1.0の人間が最もクリアに感じる水平画素数が8,000とされ、ここから8Kという解像度が導き出されました。
現時点では、おそらく8K以上の映像美が家庭テレビで再現されることはないと考えられているので、映画やスポーツ観戦が好きな方、テレビの画質にこだわりのある方はこの機会に4Kや8Kのテレビへ買い替えを検討してみましょう。
4K8Kの区分と放送番組
では現在4K8Kチャンネルにはどんな種類があるのでしょうか。
これまでの衛星放送にはBS,CSという区分がありましたが、4K8K放送の電波は、その中でさらに「右旋」と「左旋」に分かれます。
■BS右旋:NHKBS4K,BS日テレ4K,BS朝日4K,BS-TBS4K,BSジャパン4K,BSフジ4K→NHK契約料金(2,230円/月)
■BS左旋:WOWOW(2020年12月1日開始 2,230円/月),ザ・シネマ4K(990円~)
ショップチャンネル4K(通販),4KQVC(通販)→無料
NHKBS→NHK衛星契約料金(2,230円/月)
■CS左旋:J SPORTS1~4(4K),日本映画+時代劇4K,スターチャンネル,スカチャン2 4K→有料
スカチャン1 4K→一部有料
4K8K放送を受信するために必要な製品
ここまで4K8Kの仕組みを解説してきましたが、実際4Kや8Kの放送を受信する方法と、必要な機器について解説していきます。
テレビ
現在流通しているテレビは、表示方式によって2つに分けられます。
■液晶テレビ
特殊な液体を閉じ込めたガラスとバックライトを組み合わせでディスプレイが作られています。現在主流のテレビで、種類が豊富です。価格も今はだいぶ安くなっており、消費電力も低くなっています。黒色が明るく見えてしまう「黒浮き」という現象が起こってしまい、背景が黒い映像を見る時にはやや難点と言えます。
■有機ELテレビ
液晶テレビに使われているバックライトがなく、カラーフィルターとガラスの組み合わせで
ディスプレイが作られています。液晶テレビよりも黒色が鮮明に映り、また本体も液晶テレビより薄くなります。液晶テレビに比べてスペックが高い分、消費電力が大きく、寿命が短く、価格はおよそ倍になっています。また直射日光が当たると画面が見えづらいのが難点です。
現在8Kテレビも販売はありますが、高額な上にモデル数がまだまだ少なく、8K放送も今NHKのみなので、せっかくの高解像度を楽しむ機会もまだ少ないと言えるでしょう。
しばらくは4Kテレビが流通の主流になると思われます。当面は4Kテレビでもハイスペックな映像を十分楽しむことができるでしょう。
4Kテレビでは、ソニーのBRAVIAシリーズ、東芝のREGZAシリーズ、パナソニックのVIERAシリーズなどが人気です。
チューナー
BS右旋のみの視聴であれば、4Kまたは8K対応テレビとチューナーがあれば、今まで使っていたアンテナのままでも受信ができます。(チューナー内蔵テレビであれば、チューナーは不要です。)
アンテナ
BS左旋とCS左旋を視聴する場合は、対応テレビとチューナの他に、4K8K(右旋,左旋)対応の「BS・110度CSアンテナ」とその設置工事、また各有料チャンネルの契約が必要になります。※ケーブルテレビで視聴する場合は、4K8K放送対応のケーブルセットボックス(STB)が必要です(この場合チューナーは不要です)。
アンテナには「110度アンテナ」と「マルチアンテナ」があります。マルチアンテナはCSのプレミアムサービス加入に必要なアンテナなので、プレミアムサービスに加入予定がなければ「110度アンテナ」で大丈夫です。アンテナに「4K8K対応」「110度」という表記があることを確認してください。
アンテナ周辺機器
アンテナの他にも、4K8K対応のブースターと分配器が必要になります。「4K8K対応」と書かれているものを選びましょう。表記のない場合は、「SHマーク」(スーパーハイビジョン受信マーク)と書かれているものを選びましょう。これらの製品は、周波数が3224MHzまでをカバーしているはずです。周波数も確認しておきましょう。
アンテナを設置できない場合
フレッツ・テレビなどの光回線などに加入すればアンテナなしでも4K8K放送を見ることができます。トータルでアンテナを設置するよりもやや高額になりますが、家の外にアンテナを取り付けたくない、賃貸の契約でアンテナを設置できないなどの理由がある方でも4K8K放送を視聴できます。また、すでに地域のケーブルテレビに加入している方は、チューナーの代わりに4K8K放送対応のケーブルセットボックス(STB)が必要になります。
どちらの場合も、地域の光サービスやケーブルテレビに問い合わせてみてください。
工事の依頼
アンテナやチューナーなどの周辺機器は個人でも購入が可能ですが、実際に工事するのは専門的な技術が必要になるので、よほど自信のある方以外は業者にお願いしましょう。
依頼の手順
1.業者や電気店などに問い合わせ
2.現地調査
3.見積もりをもらう
4.工事開始
5.完了
見積もりまでは無料でキャンセル可能としている業者が多いので、時間に余裕があれば、複数の業者を比較してみてもいいですね。標準工事以外のオプション料金がかかる業者もあるので、見積もりをとる際は、工事費の内訳もきちんと確認しましょう。
また、おおよその費用ですが、工事を依頼するとアンテナ費用込みで15,000円~50,000円ほどかかるようです。これは、取り付ける場所や家屋の内装などによって変わってくるので、やはり何軒か見積りをもらって一番信頼できるところにお願いするのがよさそうですね。
この後に出てくる助成金についても、自分が条件にあてはまる場合は、最初の段階で業者に聞いてみましょう。
助成金がもらえる場合
従来のBSアンテナを設置している人は、アンテナを交換するにあたって、国からトータル工事費の1/3程度を助成金として受け取れるケースがあります。
必要な条件
この助成金は、総務省とA-PAB(一般社団法人放送サービス高度化推進協会)が始めた制度ですが、以下の条件を満たしている必要があります。
・4K8Kの左旋チャンネルを視聴するために工事をする
・現在BS110度アンテナが設置されている
・上記のアンテナは2017年5月11日以前に設置されたものである
・アンテナを設置する建物は、事務所・店舗・公共施設ではない
ちなみに助成の対象となるのは、アンテナ本体の費用ではなく、ブースター・アンテナ端子・分配機などの周辺機器が対象になります。
申請の手順
1.A-PAB登録業者に4Kアンテナ交換について問い合わせをする
2.業者に助成金を申請して、助成金の受領を委任する
3.業者から助成金を受けとる
この制度は、工事をお願いした個人が助成金を申請するのではなく、工事を請け負う業者がA-PABに助成金を申請することになっています。なので、工事をお願いする際に助成金についても聞いてみましょう。
注意点
この助成金は支給までに1ヶ月以上時間がかかります。また既に申請の枠が埋まってしまっている場合もあるので、必ず助成金が受け取れるとは限りません。
詳しくはA-PABの助成金についてのページ等をご確認ください。
まとめ
4K8Kテレビを設置するにあたっては、助成金が貰えればベストですが、助成金が使えなくても、工事のポイントをよく理解し、何社かに見積もりをお願いすることで、より良い条件で工事をお願いできると思います。
事前に4K8K放送についてよく理解し、是非余裕をもって工事の依頼をしてみてください。